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彩眠
「茨城さん?いるんですよね?勝手に上がらせてもらいましたよ?」
夜、仕事帰りに恋人の部屋を訪ねるも、呼び鈴を鳴らしても声かけしても部屋の主が出てこない。
それどころか鍵が開いたままという不用心さに呆れつつ、部屋へと入って行った。
すると部屋の主・茨城さんはテレビ画面にかじりついてゲームをしている。
「…茨城さん?」
「お?…わりっ、彩兎か?…今、手が離せなくってよ。…と、くそっ。…コイツっ、」
見れば、画面の中では複数のキャラ達が所狭しと動き回りバトルしている。
僕はそれを眺めつつ、買って来た缶ビールをレジ袋から取り出し飲み始めた。
「……よっしゃ、勝った~。と、わりぃな彩兎って、もう飲み始めてんのかよ~。俺の分は?」
「まだ大分かかるかと思いまして。茨城さんの分もありますよ、はい、どうぞ♪」
「お、さんきゅー♪…はい、じゃあお疲れ」
茨城さんが缶を持ってこちらに向けてくるので、僕も飲みかけの缶を持ち茨城さんの缶に向ける。
「お疲れ様です♪」
カンっと音をさせ僕達はビールに口を付けた。
「はあ~、うめぇ♪」
「そう言えば、部屋の鍵が開いてましたよ?いくら警官の社員寮だからって不用心です。身内に良からぬ事を企む人がいたらどうするんですか?」
例えば僕とか、とは言わず一応心配を滲ませた顔で咎める。
「彩兎が来るって聞いてたからな~、閉め忘れてた。まあ何かあったら彩兎が何とかしてくれんだろ?」
と、信頼しきった顔で笑っている。
「そうですね。僕がいれば茨城さんに手出しなんてさせませんけどね」
「さすが彩兎、頼りになる~」
嬉しそうに笑う茨城さんに僕も笑顔で応える。
(まあ、寮の連中には厳重に言い含めてありますしね)
『茨城さんに手を出したらどうなるか身を持って体験させますよ?』
と、極上の笑みを浮かべてね♪
「そうだ、彩兎もこのゲームやんねぇ?」
「僕もですか?」
「ああ、一緒にやろうぜ」
「やり方が分からないんですけど、僕にも出来ますかね?」
「教えてやるよ。彩兎ならすぐに出来るようになるって」
「茨城さんがそう言うなら…。じゃあやってみますね」
「よっしゃ~♪じゃあこれコントローラーな。まずはキャラを決めて…」
茨城さんに渡されたコントローラーを握り、指示通りにキャラを選び動かす。
練習でそこそこ出来るようになってみせると茨城さんが喜んだ。
「さっすが、彩兎。のみ込みはえ~わ」
「茨城さんの教え方がいいんですよ♪」
僕がニッコリ笑って茨城さんを立てると、まあな、と満更でもない顔で照れ笑いをする。
その顔を見て僕は良い事を思い付いた。
「じゃあ、そろそろ本番やろうか」
「いいですよ。あ、どうせなら負けた方に罰を与えませんか?」
「は?そんな事言っていいのかあ?そういう事なら、俺、手加減しないぜ?」
一瞬驚いた顔をしたものの、得意のゲームと言う事でニヤリと笑い食いついてきた茨城さんに細く笑む僕。
「ふふ、茨城さんに手解きを受けたんですよ?手加減なんて要りません♪」
「お、その余裕そうな顔なまいき~。で?罰はどうする?」
「…そうですね。1枚ずつ身に付けているモノを脱いでいくって言うのでどうですか?」
「ぷっ、彩兎らしいって言うか。いいぜ、それで。丸裸にしてやるぜ、覚悟しろよ?彩兎」
「あはは♪それはこっちの台詞ですよ♪…全裸の茨城さん、楽しみです♪」
僕達は互いの負けた後の姿を想像し、俄然やる気になると早速ゲームを始めた。
「……ちょっと待て。どういう事だ、これは」
小一時間程すると、茨城さんはほぼ裸に近い状態、パンツ1枚になっていた。
対する僕はと言うと、身に付けていた小物を外しただけで服はまだ1枚も脱いでいない。
「…彩兎、お前。このゲーム本当に初めてか?実はやり込んでたんじゃねぇか?」
羞恥で顔を真っ赤にした茨城さんが、そう詰問して僕を疑ってくる。
「いいえ。今日が初めてですよ♪」
「じゃあ何でそんなに強いんだよ!」
「だから、茨城さんの教えがいいからですって♪」
「それだけで、ここまで強くなるか?ぜってー、ウソだ!」
「まあまあ。そんな事より最後の勝負、早く始めましょうよ♪」
「最後のって、俺が負ける前提で話進めんじゃねえよ!」
「はい、スタートっと♪」
「あ、こら、勝手に始めんな!……あ、あ。……いきなり、そんな大技。…あ、あ、あああぁぁ」
画面の中では僕のキャラの必殺技で茨城さんのキャラが呆気なくダウンしてしまった。
「はい♪僕の勝ちですね♪不意打ちは時と場合では最高の戦略である、と誰かが言ってました♪」
「誰が言ったんだよ!ずりぃぞ!彩兎っ」
「どんな手でも勝ちは勝ちです♪さ、負けた茨城さんは、最後の1枚を脱ぎましょうね♪僕が脱がせてあげますね♪」
コントローラーをテーブルの上に置くと、茨城さんにニジリ寄る。
「は?いいよ。さっきまで自分で脱いでたし…、ちょっ、待て、パンツを引っ張るなっ」
僕は茨城さんを壁際に追い詰めるとパンツに手をかけ脱がしにかかった。
「なんだよ、さっきまでは自分で脱げって彩兎が言ってたんじゃねえか!何で最後で脱がしに来んだよっ」
尚も脱がされないように抵抗する茨城さんに僕の欲情は加速していく。
「…いいから、黙って脱がされて下さい♪」
何とか余裕ぶってそう告げるも、バタつく茨城さんの脚が僕の熱に触れてしまった。
「……え?…なんで、お前、勃って…」
「……なんでって、こんな姿の茨城さんを見ていて、…勃たないわけがないでしょう?」
「……まさかと思うけど、それで余裕なくして、最後巻き気味に勝負つけにきた?」
「……」
何でこの人はこんな時に、勘の良さを発揮するのだろうか。
僕がバツが悪く黙っていると、茨城さんが吹き出した。
「…ぷっ、くくっ。こんな彩兎が見られるなら、恥ずかしくも1枚ずつ脱がされたかいがあったってもんか?」
そう言うと、茨城さんは僕の手を取り自分の股間へと触れさせた。
「…ま、俺もおんなじだ。彩兎に見られてて勃ってたんだからな」
顔を真っ赤に染め恥ずかしがりながらも、そう自供してくれる茨城さん。
僕は愛しさと嗜虐心でいっぱいになり、茨城さんの熱をギュッと握り込む。
「…へえぇ、僕に見られてこんなにしちゃうなんて、茨城さんヘンタイさんですね♪」
「…ッ、…誰かさんのおかげでな」
「僕のせい?分かりました。じゃあ責任持ってヘンタイさんに合った相手をしてあげますね♪」
「…へ?いや、ふつうでいいんだけど…。ちょっ、…やめ、…そんな、…あ、や、…やああああああぁ」
やはり今日の僕はどこか余裕がないらしい。
早急に茨城さんを指でイカせると、すぐさま身体を繋げその身体を貪った。
それもこれも茨城さんが悪いんですよ♪ね?僕の可愛い恋人、茨城さん♪
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