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ブレイズ&フリーズ、真夏の夜のメモリー

 真夏の日差しも波の音も、体感できるものは全て三分間の休憩ではっきりと復活した。気持ちを新たにして正面の潤歩にしがみ付き、ちらりと振り返って秋常にもオッケーのサインを出す。 「行きますよ亜利馬くん……!」 「は、はい……あぅっ!」  続けて二回目のセックスは、こう言ったら凄く失礼だけど――体の疲れを別とすればまだ負担は少なかった。潤歩が言っていた通り、初めにデカい方で慣らしてもらっていたからだ。秋常が小さいわけではないけど、これなら少しは余裕を持って撮影できそうでもある。 「あっ、……あ、気持ちいい、です……秋常さんっ……」 「……俺も気持ちいいよ、亜利馬くん。キツいのに、……ふわふわでとろとろで……」 「俺が解したからな」  潤歩の言葉を無視して、秋常が俺の耳に舌を這わせながら続けた。 「こんなに愛らしく締め付けてくるアヌスは初めてです。亜利馬くん、俺の形を感じてくれていますか」 「ん、……はい、……秋常さんの、……ぐりぐりって……」  乱暴ともいえる潤歩の激しさとは全然違う、秋常の腰使い。力は込められていないのにしっかりと大事なところは突いていて、そのスローペースな甘い快楽に、洩れる声もまた甘くなってしまう。 「ふあ、ぁ……」  丹念に中を愛撫して引き抜かれ、奥の奥まで侵入し押し付けられ、またゆっくりと抜かれる。じれったいのに心地好い刺激が堪らなくて、俺は目の前の潤歩にしがみつきながらとろけた声で秋常に応えた。 「亜利馬、俺の前でそんなツラして良いと思ってんのかよ?」  悪魔じみた笑顔で潤歩が俺の頬を両手で包む。 「だだ、だって……奥のとこ、ツンてされると……」 「デカければ良いってわけじゃないです。テクニックが無ければ宝の持ち腐れですね」  背後で秋常が勝ち誇ったように嗤う。俺を挟んで睨み合う狼と狐。セックスの上手い下手なんて、慣れない俺には分からないのに……。 「ヨダレ垂らして物欲しそうな目で見られるとよォ、……妬けるんだけど」 「あ、ぁ……」  キスをしてくれるかと思ったのに、潤歩は不敵な笑みを残してその場に膝を付き――秋常に持ち上げられ大きく開いた俺の脚の間で揺れるペニスを、口一杯に頬張った。 「あぁっ、あん――!」  一度射精して萎えたそれが、潤歩の口の中でじわじわと再び芯を持ち始める。それと同時に、秋常の腰の動きが少しずつ速くなって行くのを感じた。突かれながらのフェラなんて、二回目でもそんなに持たない。あっという間に体が高ぶって、そして―― 「あぁっ、ん……! 気持ち、いっ……お尻とチンポ気持ちいいっ、です……! もっと……両方、もっと――!」  俺は右手で潤歩の頭をぐいぐいと股間に押し付けながら、俺を抱きしめる秋常の腕を左手で強く握った。 「ちょ、――あり、ま……てめっ……むぐっ……」 「い、痛いです亜利馬くんっ、爪を立てないでくださいっ……ていうか、そんな締め付けないでっ……」 「やっ、……やめないで……あぁっ、……も、もっとぉ……!」 「わ、分かった……分かりましたから、亜利馬くんっ!」 「ぶはっ、……亜利馬てめ――んぐっ、んぐぉっ」  ………。 「……ごめんなさい」  浜辺で全裸のまま土下座する俺を見下ろしているのは、山野さんと二階堂さんだ。 「いや、ある意味ハードなものが撮れて良かったと思ってる」  二階堂さんがそう言ってくれて、 「ああ。二人に翻弄されるお前も良かったが、お前が二人を蹂躙するのもまた一興だな」  山野さんも口元に笑みを浮かべてくれた。 「あ、……ありがとうございました!」 「俺は納得してねぇっつうの! 危うくイラマで吐きそうになったぞ!」 「お、俺も……腕についた痣は亜利馬くんの愛の証としても、危うくムスコが千切られるかと思いましたよ!」 「……すいませんでした」

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