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初めての朝(2)

「……っ」 こんなこと、考えてもみなかった。 今日は特別な朝だから、おはようのキスをして、ごろごろしながらベッドでイチャイチャして。 それからのんびり朝ご飯を食べて。 それから……。 「……っ、」 こんな冷たい態度、取られるだなんて、思ってもみなかった。 昨日の行為を、幸せだと感じたのは俺だけ? やっぱり男は無理だったってこと? 「大ちゃん……っ」 何を言いたいのか自分でも分かんないし、そもそもまとまってないけれど。 今すぐに名前を呼ばなきゃいけない気が、なんとなくしたから。 泣きそうになりながら、目の前にいない彼の名を必死に呼ぶと、隣の部屋から服を着た彼が財布を持って出てきた。 「今からコンビニ行って朝ご飯買ってくるから」 そう言って、当然のように一人で玄関に迎う彼。 その背中を見てると、だんだんと胸が苦しくなってきた。 「大ちゃん……! お、俺も一緒に行く……っ」 慌ててベッドから出ると、近くにあった服を適当に掴み、急いで袖を通した。 そんな俺を見る彼に、“待ってて”と言おうと口を開いた時、彼は俺に背を向けて靴に足を入れた。 「いい、一人で行くから」 向けられた背中からじゃ、表情は伝わらない。 だけど、また冷たく突き放されて、せっかく我慢していたのに、涙がどっと溢れ出した。 「何で……?」 ねぇ、どうして。 「そんなに、冷たくするの……?」

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