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それだけ?それとも……。(1)

「はぁー……」 外の気温は三十度……くらいだろうか。 分からないけれど、とにかくいつもより暑いってのは確かだ。 しかもこんな暑い日なのに、まさかのまさか。 俺らの教室のエアコンが、朝からずっと壊れたまま。 そのせいで、まるでサウナにでも入ってるんじゃないかってくらいに、教室の空気がもわっとしている。 窓は開けているけれど、風は全然吹いていないみたい。だって体にも風を感じないし、カーテンもこれっぽっちも揺れない。 「暑すぎだろ」 流れてくる汗を手で拭いながら、俺は下敷きで全速力で扇いだ。 しかもこんなクソ暑い昼に、受けているこの授業はおじいちゃん先生の国語で。 「え~、未然形+なむだから~」 震える声にゆっくりとした口調。 黒板に書いてある字も先生みたいによぼよぼしていて。 ただでさえ暑いせいでやる気を奪われているのに、この先生の授業だからますます何もする気になれない。 最悪すぎる、とウンザリしながら周りを見渡せば、半数以上の奴らがこくりこくりと船を漕いでいる。 起きてる俺ってめちゃくちゃいい子じゃん。 くるくるとペンを回しながらそんなことを考え、何となく窓の外を見ると、可哀想に太陽ギラギラの炎天下の中、サッカーをしてる……させられているクラスがあった。 「あちゃー」 暑い中でサッカーという地獄に加えて、体育の先生があの熱血の山本だなんて。

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