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俺が守るから
今頃、手紙を渡しているはず。
みつるなら貴史をすぐに見つけれる。
「ゴホっ」
さっきから息がっ。
喘息の発作が起きている時は起きている方が楽だから起きているんだけど。
「和。俺や!入るで?」
「遊佐さん、俺は帰るんで!苦しい時は看護師さん呼んで下さいよ?」
そう言ってみつるは帰っていった。
「和。大丈夫か?寝とかんでえぇか?」
「大丈夫。起きてる方が楽……」
息が苦しくてそれどころじゃない。
「ほんまはきついんやろう?」
貴史はそう言いながら抱きしめてくれた。
なんでわかるんだろう。
貴史には。
「眠いなら寝てえぇからな」
薄れる意識の中。
貴史からそう言われていた。
***********
「あ、遊佐さん。おはようございます。苦しくないですか!」
「今、何時ですか?」
「朝の7時ですよー」
かなり寝てたのか。
そういや、貴史が来ていたような気がしたけど。
今は苦しくないから話すことができる。
「あ、お友達ならすぐお戻りになりますよ」
「あ、和。目覚ましたんか?」
「朝ごはん、時間になったら持ってきますので。今日こそは食べてくださいね?」
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「今日こそは?」
「……」
「和?」
「飯食ってないんか?」
「……」
貴史には知られたくなかった。
「食べれないんだ」
「何で?」
「……」
「和?話してや?」
「発作が治まらないから食いたくても食えない」
「じゃあ俺から看護師さんに説明してくるわ」
「いいっ」
「よくない。久々に和抱きしめたけどなえらい細うなっとたで?」
何でそんなに優しいんだ?
貴史には田代真由がいるんだろう?
「何で?」
「手紙読んだ。俺な和ともう一度やり直したいんや」
「やり直すって」
「そのままの意味や。俺な和の気持ちがわからんようなっとたんや」
「俺がうまく口にできないから」
「和のせいやあらへん。和がそないな奴ってわかっとたんや」
「和。俺な和が好きやねん。コソコソするん嫌やから事務所の社長には言おうかと思ってねん」
「何言って!?」
何言ってるんだよ。
そんなことしたらっ。
「俺が和を守るから大丈夫やで」
貴史はそう言いながらほほえんだ。
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