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『まっクロ』

月城医大の、とある日の休憩時間。 休憩室の冷蔵庫の中には見慣れぬ真っ黒な液体が入った瓶が鎮座していた。 秀吉「うわっ、なんやこれ…?」 真琴「ん?どうした?秀吉」 秀吉「…なんや、どす黒色の液体が入った瓶がある」 真琴「……どす黒色。…また、三成か?」 秀吉「…たぶんやけど、せやろな」 信長「ちょっと、邪魔だよ。いつまでもそんな所にいないで、出すもん出したら退きなよ」 秀吉「出すもん出したらって、緋田センセ、昼間っからヤラしいなあ」 信長「ヤラしいって何だい。そんな事より僕はガムシロが取りたいんだよ。邪魔だよ」 秀吉「またガムシロかい。そんなもん、どこにも…あ、あったわ」 信長「ちょっと触らないでくれる!君に触られたら不味くなるよ!」 秀吉「なんや、人がせっかく取ったろ思たのに、そんな言い方ないやろ」 真琴「…まあまあ秀吉、ほらっ退こう。悪かったな信長」 信長「真琴が謝る必要ないよ。悪いのはそこの白ねぎ…、ん?何だい?この黒いのは?」 秀吉「白ねぎちゃうわ。自分ガムシロマンのくせに!せやから今それを真琴と話してたんやん」 信長「君が飲むって?」 秀吉「誰が飲むかい!」 真琴「…誰も飲まないだろう。そんな得体の 知れないモノ」 信長「似たような色のモノもあるみたいだけど?…イカスミエキス入りって」 真琴「…イカスミエキス入り?それは…」 光秀「俺のだ」 秀吉「あ、明紫波センセ」 信長「光秀、君。こんな変なモノを飲むのかい?」 光秀「ガムシロ徳用1Lを一気飲みするようなヤツに言われたくねぇよ」 政宗「何やら楽しそうだな」 幸村「…どこがだヨ。明らかに揉めてんじゃねえか」 秀吉「あ、ええ所に。これが何か分かる人おりますやろか?」 政宗「…これはまた随分と真っ黒な液体だな。飲み物なのか?」 幸村「…どう見たって飲み物じゃねえだろ」 信長「光秀、飲んでみたら?君が飲んでるドリンクとそう変わらないみたいだし」 光秀「ああ?全然チゲーだろっ。変なモン飲ませようとすんなっ」 幸村「これ、アイツのなんじゃねぇの?」 政宗「まあ、十中八九そうであろうな」 秀吉「センセ方もそう思いますのん?」 信長「始めっから分かりきった事じゃない」 光秀「…それを人に勧めるってのはどういう事かな?緋田クン?」 信長「人体実験だね」 幸村「面白そうだナ。飲んでみろヨ、明紫波」 光秀「…テメーまで何言い出すんだ、真葉」 政宗「む、そうだぞ、ユキちゃん。光秀に何かあったらどうするのだ」 秀吉「月城医大の良心やね(笑)」 幸村「ユキちゃんって呼ぶんじゃねぇヨ。じゃあどうすんだヨ、コレ」 信長「誰かが飲まないと、何だか分からないだろう?」 光秀「…だから俺を見んじゃねぇよ」 真琴「…別に飲まなくても、持ち主に聞けばいいんじゃないのか?」 秀吉「しっ、真琴。今、面白いとこやから」 光秀「聞こえてるぞ、豊白。とにかくコレは俺から石黒に渡しておくから…」 三成「俺が、何ですか?」 秀吉「あ、石黒センセ。なあなあコレ、石黒センセのなん?中身なんなん?飲み物なん?」 信長「なんなん、なんなん、煩いよ、白ねぎ。少し黙ってなよ」 秀吉「って自分、人にメス向けんのやめろや。危ないやろ」 信長「君が永遠に黙れば、メスを向けないであげてもいいよ」 秀吉「永遠なんて無理やん。もって1分や」 三成「短かすぎです。で?俺に何か?」 政宗「これなんだが、誰のモノか分からなくてな。三成のモノかと話してたんだ」 三成「ええ、俺のですね」 光秀「…やっぱりかよ。で?コレは何なんだ?」 三成「これは知り合いの研究員の方から頂いた『まっクロ』というお酒です。何でも『飲んだ者の願望が叶う』らしいので、貴方で人体実験をしようかと」 幸村「ぶっ。…くくっ」 光秀「なっ、何言ってんだ、テメーは」 信長「ほら、僕が言ったとおりだね。やっぱり君が飲むべきモノだったんだよ」 光秀「そこ!うるせえぞっ。何で俺なんだよ!?」 三成「貴方の願望が知りたいからです。あと単純に貴方なら何があっても大丈夫だろうと思いまして」 光秀「…その大丈夫はどこから来んだよ」 幸村「俺も明紫波の願望知りてぇナ。飲めヨ♪明紫波♪」 三成「む、貴方が知る必要はないですよ、真葉。後で二人きりの時に飲んで下さいね、明紫波」 光秀「誰も飲むなんて、言ってねぇっ」 信長「グダグダ言ってないでさっさと飲みなよ、光秀」 光秀「…俺の味方はいねぇのかよ」 政宗「…うむ。ならんな」 秀吉「…伊達川センセ?」 政宗「こんなモノ、飲ませてはならん。そもそも人体実験など医者のする事ではない」 幸村「…あ、流しに捨てやがったヨ」 秀吉「おお、救世主(笑)」 光秀「伊達川~、助かったぜ」 信長「…ちっ」 光秀「…緋田クン?」 三成「…そうですね。(人目につく所に置いておいた)俺が悪かったです」 政宗「分かれば良い。さあそろそろ休憩時間も終わりだ。残りの仕事を片付けに行こう」 秀吉「…でも、ちょっと惜しかったなぁ」 真琴「…秀吉?」 秀吉「真琴に飲ませてみたかったかも♪」 真琴「秀吉!」 三成「伊達川に怒られますよ。(…成分表示を見たので作り直しは出来ますけどね)」 幸村「(↑とか、思ってそうだナ)…後で覗いてみるか」 こうして各々の思惑を秘めつつ休憩時間は終わったのだった。 ちなみに休憩室に来なかった二人は 慶次…小児科の子供達とバスケをしていた 長政…上に同じ で、ある。

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