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地獄の先も地獄

ここは地獄。 僕は貧乏で、寺の賽銭を盗んでしまった。そして、食べ物を得ようとしたが途中で倒れ死亡してしまったようだ。空腹で死亡、童貞で死亡の二重アタックでショックを受けた。今地獄で裁判を受けているのも仏の賽銭を奪うという罰当たりな行為が原因だろう。 「よって、笹川慎二は悦楽地獄行きである。速やかに連行せよ」 「悦楽地獄?」 「現世では悪人が多く、どの地獄も満員だ。だから、新地獄行き。」 そんな理由で決めていいのかと思うが、獄卒に鎖を引かれ、強制的に連れていかれる。どんな地獄か分からず頭をひねるが悪いイメージが思い浮かばない。 「ここが悦楽地獄だ」 「えっと」 目の前に銀のカーテンみたいなものがある。異次元に繋がっているような奇妙な光景に呆然としていると、いきなりカーテンから人が飛び出してきた。 「うわっ」 「はぁ、終わった。やっと終わった〜」 「おい、降谷湊。今日のノルマを達成して帰ってきたならさっさと牢屋に入れ」 「はーい、加太さん。その子新人?」 「気安く喋りかけるな!」 「はいはい」 降谷という男は地獄にいるにも関わらず、ヘラヘラしている。ウェーブのかかった金髪に青い瞳、綺麗な顔の男だった。女性にモテそうだ、僕と違って。 「新人くん、心配しなくても他の地獄よりいいから」 首輪についた鎖は見なかったことにしよう。物凄く爽やかな笑顔で牢へ連れていかれた。 「あのここで何をされるんですか?」 「笹川、そこに正座せよ!では、説明する。悦楽地獄とは、現世で悦楽を貪り過ぎているか人間を観察、報告し記録する地獄だ」 「確かに。幸せそうな人達を見てるだけなんて苦しい」 「俺達は苦しい、そして獄卒達の仕事も楽になる。一石二鳥な地獄というわけだよ」 「あっ!さっきのイケメン!」 「降谷だよ」 「イケメンには大して辛い地獄じゃないでしょう?」 「俺、好きでない人にストーカーされたあげく断ったら刺されて死んだんだよね。よく誤解されるけど好きな人には好かれないし、色々イメージつけられて上手くいかないし」 「じゃあ童貞?」 「友よ!」 笹川は降谷とがっちり握手し仲間がいたと嬉しかった。 そこからは不倫するカップルや親の金で豪遊し女性に囲まれている社長を追跡しては地獄帳に書いていく。 「今日もノルマ達成だな。他の奴らも見習ってほしいものだ」 「そんな」 「さすが女性に未練があるだけあってセンサーを感じ取るんだな。助かるよ」 「そうですかね」 「もうすぐ会議だな。笹川、これからも刑に励んでくれ」 「はい、加太獄卒長!」 今日も加太さんに褒められた。嬉しい。しかし最近胸の辺りが痛い。 「笹川くん。もしかして恋?ですか〜」 「え?」 「褒められると嬉しいけれど、なんか胸のあたりがモヤモヤする」 「なんで分かるんですか!降谷くんもそういう経験が」 「俺?ないない。でも見てたら恋かなって」 降谷はいつもよりニヤニヤしながら大袈裟なジェスチャー付きで教えてくれた。好きになったら苦しくなったり、傍にいたくなったりするらしい。 「ちなみに加太さんは童貞は嫌いだ」 「え、そ、そうなんだ」 「技術もないと難攻不落な山を登るようなもんや」 「う、うん。そうだよね。童貞な僕じゃ魅力なんて」 「でも笹川くん、めっちゃええ子やし頑張り屋だし、俺が教えてあげるよ」 「え、あっ」 降谷は笹川の顎を上げ舌を入れる。笹川は頭が追いつかなくて身体が固まってしまう。数分するだけで息絶え絶えで口が少し開いたままだ。 「笹川くん、可愛いな。抱きしめたいところやけど、俺これ付けられて無理なんや」 笹川の手首には手錠と鎖が付いている。不真面目でトラブルを引き起こすかららしい。 「悪いけど自分でボタン外してくれへん?」 「う、うん」 ワンピースみたいな囚人服だからボタンを外してしまうと褌一枚だけで恥ずかしい。 「恥ずかしいんか?でも、これからスるんやし気にせえへんでよくなるよ」 「ま、待って。心の準備が」 「そう?じゃあ今して。俺は笹川くんの身体の準備するから」 笹川を押し倒し胸ポケットに入っている袋を破った降谷は中身をナカに入れる。 「冷たい」 「そのまま入れたら痛いで。痛いの嫌やろ?少し冷たいけど必要なんや」 降谷は笹川の足を立ててから引き寄せ尻を膝に乗せる。股の間に体を入れられては足を閉じることができず、降谷の指を受け入れるしかなかった。 「んっ、ん」 「いいところ教えてな。少しずつ指も入るようになってナカ丸見えや」 「恥ずかしいよ」 「綺麗やで笹川くん」 「っ、ふぁっ」 「ここやな、笹川くんのええところ」 何度も撫でられては押され腰が浮きそうになるが、降谷は気にせず指で掻き回した。 「笹川くん、見込みあるなあ。吸い付くような肌に、弾力あるナカ、あったかいしはよ入れたいわ」 「もう、入れる、っ、ですかっ」 「媚薬入りローションも効いてきたやろ。自慢やないけど俺の大きくて初めての子には刺激が強すぎるけど、加太さんとのためなら頑張れるよな?」 「加太さんのため?」 「そうや。加太さんに気持ちよくなってほしいやろ?」 「うん。加太さんに、っあ!」 「どんどん入っていくなあ。感じるか?お腹圧迫する感じがあるけど、こうやってナカで擦ったら気持ちよくなるんや」 笹川は腰を引いてもすぐ勢いよく突き、最初よりも奥へ奥へ入っていく。衝撃に驚いている間もなく何度も繰り返され上手く声にならない。 「あっ、や、待って、激し、あ、ああっ」 「ゆっくりしてもええけど」 「っん」 「ゆっくりってこうか?でも、それだったら加太さん、退屈するで」 「そんな」 「笹川くんは知らんやろうけど、地獄の獄卒っていうんは皆激しいのが好きなんや。だから、これぐらいで根をあげてたら満足させられへん。分かるよな?」 「はぃ」 「よしよし、ええ子ええ子」 降谷に頭を撫でられ涙が出てくる。 降谷くんは僕のために教えてくれていると思えた。人間界で乱れた人達を調べてきて酷い扱いを受けている人もいた。それに比べたら優しい筈だ。 「涙まで流して可愛いなあ。もっと色んな事したくなるわ」 「降谷くん」 「ん?」 「もっと、僕に気持ちよくする方法、教えて」 「そうやな。加太さんにバレやんようレッスンしてあげる。最後まで、みっちりと身体に教えこんだるわ」 降谷のモノが一段と大きくなり、腰を打ちつけてくる。 「ああ、奥に、当たって、あっ!あっ、そこは、きちゃ、あっん!」 「ナカに出すよ、ほらっ、もう少し、んっ」 ナカへ勢いよくあったかいものが流れている。頭の中は気持ち良さでいっぱいで、世のカップルはこんな気持ちいいことをしていたのだと分かった。 「まずは処女卒業やな」 「うん。童貞も卒業したいな」 「するにはまず受ける人の気持ちにならんとあかん」 「降谷くんは何でも知ってるんだ。凄いな」 「ふぁ〜って快感がきたやろ?これを何度も味わうんや」 「これを、何度も?」 「そうそう。俺の教えに従ったら上手くなるから任せとき」 「ありがとう降谷くん」 「降谷、起きろ」 「はーい、加太さん」 降谷の傍には裸の笹川が眠っている。服のボタンをしめて、牢から出る。 「いいご褒美やったわ」 「無茶してないだろうな」 「そんな心配せんでも、すぐ壊したりしません。気持ち良さそうに眠ってたやろ?」 「当てにならんな。今迄どれだけの囚人を連れてきたと思っているんだ」 「俺はご褒美に従順な囚人を、加太さんは笹川くんのヤリたい欲望を叶えた。二人ともハッピーや、いてっ」 「調子に乗るな」 加太のげんこつをくらい頭を押さえる。 「大体、俺への供物になるくらいだから悪いことしてるんでしょ?」 「前世の重罪だがな。地獄に来ては滞在期間を満了、転生してまた罪を犯すからほとんど変わらない」 「どっちにしろ地獄ですね」 「ああ、罪人は転生しても不幸なことがよく起こる。お前はアイツの罪を軽くするためにあてられたんだ」 「ふーん。じゃあ、悦楽地獄にいる間は天国見せてあげなあかんな」 「そうだな、重罪人」 降谷も同様に地獄の堂々巡り。同じ修羅の道なら気持ちいい方がいいと笑った。

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