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先輩の説明によると、志常学園は全校生徒400人程の男子校で、1学年4クラスあるそう。寮は校舎から徒歩10分かかる所にあり、基本的に教師生徒全員が入寮しているのだとか。
まあそうだよな、近くに民家なさそうだし、ほぼ丘の上にあるようなものだし……坂がしんどい。
「見ての通り周辺に娯楽施設もないからな、事前に入寮する奴は少ないんだ」
「そうなんですか」
すごい納得。
「人数が多いから寮は4つに別れるんだが、堰の入るとこは俺が寮長だ。分からないことがあればなんでも聞いてくれ」
「ありがとうございます」
面倒見の良い寮長で心強い。俺の不振な見た目にも何も言わないし、早くも上手くやっていけそうな気がする。
「寮は2人部屋だが、珍しく堰の相方は今朝先に入っている。確か宗弥(そうや)といったか」
「宗弥、くん」
どんな人でしたか?と聞いたら、先輩は首を傾げた。
「よく分からなくてな。人見知りをするらしく、フードで顔はよく見えないし、あまり話してもくれなかった。そもそも距離感が遠い」
「へ、へえ……」
俺より顔が分からないのか……。
「挨拶する一瞬はちゃんとフードを取ってくれたし、悪い奴ではないだろう。まあ高速過ぎて顔は分からなかったが……」
「あはは……」
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