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確かにずっと固まっていたらそのまま終わってしまう。どれぐらいの時間有効なのか分からないけれど、間広先輩や桐嶋たちが通る時に権限を使ったのかもしれない。 その場を動けない先輩たちはフラストレーションが溜まってしまったのか、やる気に満ち溢れているようで準備運動をし始めた。 「ほれほれ頑張れー」 野中先輩のゆるい応援の声に押されて、距離を取りつつ先輩たちの横をすり抜ける。 脱出した出入口はグラウンドとは反対の、部室棟の方だ。何人か仲間の姿も見える。校舎の方に逃げて行くみたい。このまま同じように校舎へ入るか、部室棟の陰まで走ってやり過ごそうか。 「待て泥棒ー!」 「逮捕しちゃうぞー」 「どこへ行こうと言うのかね」 フリーズが解除されたらしい声が勢いのある足音と共に追って来た。もしかして先輩たちは運動部かな?近づくのが速い。このまま走り続けて逃げきれるだろうか。とりあえず部室棟の裏を通って俺たちも校舎の方へ……と、その時。 「ゆーやくん、こっちです!」 「葉桜?……わっ」 裏から部室棟を抜けた直後呼ばれて振り返ると同時に腕を引かれ、部室棟の表側へ、ほぼ押し倒されるように階段になだれ込んだ。 「しっ!頭を下げてください」 階段の手すり下3分の1が見えない構造になっているようで、目隠しの役割をしてくれるのだと気づいた。逆らわず言われた通りに状態を倒す。

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