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最初の遊具は幅が狭めのシンプルな平均台。続いて縦に置かれた丸太の上を飛び移っていくステップ。次のネットでできた橋は、網目が大きく体重のかけ方を間違えるとつま先がはまり込んでしまいそうだ。どれも前後の2人は平地を歩くように悠々と進む。抜群の安定感、靴のサイズ28はありそうだしなあ……と蕗口の足に視線が行ってしまい、かがんだ彼の背中に顔をぶつけた。 「何してんの」 「ごめん。よそ見した」 少しずれた眼鏡を直して蕗口の前を確認すると、ネットが今度はトンネル状になって口を開けている。子供なら頭を下げれば立ったまま通り抜けられそうだけど、大人は腰を屈めないと入れない高さ。蕗口や健助には難所と言えるかも。 「いや、これ、きつい。膝つきたくないんだけど……」 と珍しく不満を言いながらも迷わず膝をついて進む蕗口。腰を折る程度では足りなかったらしい。ちなみに学校を出る時点から体操服を着ているので、多少の汚れは許容範囲。俺は中腰で、後ろを振り返ると健助は屈んだままの状態で上手に進んでいる。 「大丈夫?」 「ああ」 なんだか慣れて見える。うさぎ跳びでも始めそうな感じ。 「俺の心配もしてほしいなあ」 「蕗口も、大丈夫?」 「わあ、堰くんやっさし~。もう膝が痛くてさ~」 おどける蕗口のノリに合わせて、ぽんぽんと頭を撫でた。 「頑張ってえらいえらい」

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