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『ケーキ』
白い紙にそう書かれたあいつの字があった。
クリスマスを楽しむために作れということか。だったら、もう少しこうしてほしいという要望を出してもらいたいものだ。考えるこっちの身にもなってほしい。
しかし、あいつも仕事のために考えている。少しくらい甘やかしてもいいだろう。
どちらにしろ、ケーキを作るための材料が全くないから、買い物をしながら決めればいいだろう。
あいつは今、仕事に集中している。終わった頃に完成しているには、今買いに行って作るしかない。
俺は外の寒さに耐えられるような格好に着替え、あいつの部屋の前を通る。
「買い物に行ってくる」
だが、あいつからの返事はなかった。きっと集中しているせいで全く聞こえていないのだろう。
返事のないあいつを置いていき、俺は外に出ていった。
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