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先輩を好きにしていい?

俺は初めてこの店に来た。 「いらっしゃいませ」 「あの、予約した志木です」 「では3番の部屋へどうぞ」 深夜にひっそり開店しているドリーム・ナイトという店。ネットで偶然見つけ気になった俺はすぐ行きたいという欲が出てクリックしていた。 氏名、時間、好みの欄だけ入力すればいい。店でのことは他言無用、サービスを受けたら料金を支払うことを守ればどんなプレイも許可されている。破れば罰則あり。 簡単に予約できすぎて、ぼったくりの店や脅して金を取る店かもしれないと思ったが考えるのをやめた。 楽しいことがない毎日に刺激がほしいし、好きの対象は男で相手を見つけるのは大変だ。 俺は扉に3と書いているのを確認し開けると一人の男性がベッドに座っていた。 「おかえり。遅かったな卓也」 男は要望通り、高校時代好きだった先輩と瓜二つだった。 「え、あの、三崎先輩?」 「どうした?なんか変だぞ」 綺麗な黒髪、首にある黒子、シャンプーの香り。そっくりすぎてビックリしたが、今手を伸ばせば何でもできる距離にいると分かれば、すぐさま隣に座った。 「先輩、触れていいですか?」 「ああ。好きにしてくれ」 「んっ」 本人ならきっと嫌がって突き放すだろう。怯えた、拒絶する目を向けてくるに違いない。怖くてキスすることなんて出来なかった。 「三崎先輩、甘い」 「んんっ、あっ、そこは」 先輩がよく舐めていたイチゴミルクの飴の味がする。本物の先輩なんじゃないかと思うほどそっくりだ。 「本物みたい」 「本物みたいってなんだよ。俺は正真正銘本物だよ」 そう言うよう店長から言われてるかもしれないが、入力していないのに腰の黒子や体つきまでそっくりで驚いた。本物でも偽物でもいい。目の前の彼が三崎先輩に思えてくるなら三崎先輩でいい。 Tシャツに手を入れ胸の飾りを弄ると甘い嬌声が聞こえる。 「ここ弱いんですか」 「ん、弱いよ。あっ、ごめん変な声」 しつこく捏ねて引っ張って爪を立てる。顔を真っ赤にさせながら受け入れてくれる先輩。 「ここ、いじりますよ」 押し倒した後、ズボンを乱暴に脱がせば健康的な太腿が現れた。肌は吸い付くようで、噛み付くと赤くなった。 「柔らかいよ。ああ、ここも見せて」 下着を脱がすと恥じらうように足を閉じようとするので足首を開き丸見えにした。 「卓也、そんなに見るなよ」 「恥ずかしい?」 「当たり前だろ!」 「今からもっと恥ずかしいことするのに?」 顔を背ける先輩を見るといじめたくなる。 「ローションは?」 「そこの引き出し」 マヨネーズやソースを入れるような先の尖った容器に入っている。今の俺は悪戯を思いついた子供のような顔をしているだろう。 「はい、先輩。痛くならないようにローション入れましょうね」 「ひゃっ、冷たい」 「先輩、俺にエッチ下手そうって言ったの覚えてます?あれ傷ついたんですよ。まあ、ほんとですけど。だから、先輩が合わせて下さいね」 容器の側面を押せば勢いよくナカにローションが出された。逃れようと体が身動ぐ。 「先輩、モテてましたよね。カッコいいとか言われて。でも、実は可愛い人でしたね」 容器の先を抜き、俺の指を入れる。柔らかい感触を楽しみながら先へ進める。 「卓也、優しく」 「えーどうしようかな。先輩は誰にでも優しいし俺の願いも聞いてくれますよね」 先輩は皆に好かれ、地味な俺の面倒も見てくれた。貴方に欲情してるんですよと耳元で伝えたいが、隣には可愛い彼女がいた。手に入らない俺の先輩。 「先輩が俺のためによがるの見たいな。お願い三崎先輩」 「ふぁっ、あ、あっ、そこ、いや」 「嫌?嘘は駄目ですよ」 「激しっ、あっ、や、待って」 「待てない、先輩、三崎先輩、出したいっ」 「え、ま、待って、出されたら、俺」 「いく、いくからっ」 先輩の制止を聞かずナカに勢いよく出した。白濁の液体を奥にまで出したくてより密着する。 「先輩が俺無しじゃいけないように仕込むんですから心配いらないですよ」 一度も出さず全てを先輩のナカに出しきった。三崎先輩を抱き起こし跨らせても嫌な顔一つせず、ナカに誘ってくれるので何度も突き上げた。締め付けられると嬉しくなって何度も口づけをかわした。 先輩の腹に入れたものを出したくない。俺は衣服を整えながら先輩に指示を出す。 「ダメか?」 「ダメ。俺が帰ってから俺のこと思って掻き出して」 出そうとする手を止め、最後にキスをした。 「ありがとう先輩。また来るからいい子で待っててね」 思った以上に良かったと代金を支払い、次の予約をする。何故あそこに先輩がいたのかは分からない。しかし、高揚感からどうでもよくなる。大好きだった先輩との夜が頭から離れなかった。

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