「え、ええ！？」 抵抗する隙もなく、後ろに指が――。 いや、指じゃない。 ぴちゃぴちゃと音を立てる舌だと気付き、頭を両手でつかむ。 「ば、馬鹿じゃないの。汚すぎ！　ちょ、花渡っ」 ルイ君の抵抗を見て自分は余裕だと思っていたのに、焦る。 頭を押さえて抵抗していたら、バッと払いのけられ顔をこっちに向ける。 「じゃあ今、貴方を舐めていたこの唇とキスしますか？」 「……したくない」 嫌すぎる。じゃあってなんだよ。 「じゃあ大人しくしててください」 「わ、分かったけどじゃあせめて俺も舐めるから、反対向いてよ」 「……分かりました」 花渡が反対向きに覆いかぶさり、滾りピクピクと反応していた熱芯を手で掴んで固定して舌先で舐めた。 けれど、そんな行為を払いのけるかのように、指が二本中に入って行くのを感じて止めた。 「なっ　やっ」 人差し指が二本中に入ったと思うと、左右に大きく開かれた。 「あああっ」 風がすうすうと入ってきて気持ち悪い。 大きく広げられた足の真ん中には花渡が居るので閉じることもできない。 そうこうしているうちに、今度は花渡の舌から唾液がたらりと中に垂らされた。 その唾液の滑りを借りてぐちゃぐちゃと中を解され、自分も舐めようなんて思っていた馬鹿な思考は停止した。 「ふっ、んぐっ」 声が我慢できなくて、シーツを引っ張って口噛む。 やばい。花渡の指、熱くて中に入って行くうちに火傷みたいにじんじんと擦れて甘く痛む。 熱い。 ……でも欲しい。 「い、いい。いいから、花渡」 「……？」 「やっぱキス、したい。も、キスしたい」 躊躇なくそう言うと、花渡は文句も言わず体制を戻し俺の前髪を掬う。 「生意気な吾妻さんばかり見てきたせいか……素直な吾妻さんは反則ですね」 とろけるぐらい甘やかしたくなります。 額の口づけを落としながら、今まで見たこともない優しい花渡がそこにはいた。 「じゃ、じゃあ甘える」 「……そうですね」 一瞬言葉を詰まらせた花渡を睨むと、少しだけ困惑しているんじゃないかと思うような表情だった。 硬いというか、難しい顔。 大学とかで教授が謎論理を誇らしげに言いだすのが難しくて、首を傾げちゃうときみたいな。 「なんだよ」 「いえ。そう言えば私、人に甘えたことなかったと思いまして」 ふむふむと感心していたら、花渡の後ろからガバッと暇が抱き締めてきて強引に唇を奪った。 今、花渡とキスしたら間接的に俺の中とキスしちゃってるぞ。 「俺に甘えて良いよ。ルイ君とのいちゃいちゃが終わったら、花渡のご要望通りに赤ちゃんプレイでもするよ」 「や、暇さん、動かないでえ」 ルイ君がたどたどしく舐めていたソレは、反応しないと言っていたはずなのに首を持ち上げていた。 ……ほんと、よくよく見れば大きすぎる。 巨根って言っていたのは嘘じゃないな。 完全に戦闘態勢になったら、子どもの腕ぐらいになりそう。 「よそ見しない」 「だ、キスされたのは花渡じゃないか。余所見すんなよ。俺がお前の主なんだからな」 悔しくて恨み事を言うと、急に花渡の指が抜け、中がひくひく疼いた。 「あっ」 「じゃあ、次は主である吾妻さまに甘えるとします」