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誘惑のカウントダウン
「司……起きれる?」
「んぅ……?」
「もう年明けちゃう」
「ふぇ……?」
もぞもぞと体を起こした司は、あちこちに紅い痕を残している。
姫初めならぬ姫納めとでも言えば良いのか。
年末一緒に過ごせる嬉しさに負けて、気づけば押し倒してしまっていた。
もう少し待てばいいのに、と困った顔して笑った割りには司も意外と乗り気だったから、満更でもなかったんだと思っている。
ふにゃふにゃとベッドから降りて10分前になった時計表示を見つけて、おぉギリギリ、と呟いた司がよいしょと正座をする。
「司?」
「今年もお世話になりました」
「あ……こちらこそ」
慌てて正座で頭を下げた。
ペコペコと頭を下げ合うのがおかしくて、顔をあげて目があった瞬間にフフッと笑いが漏れるのがまたおかしい。
笑い合って過ごす年越しも悪くない。
こんな風に穏やかに幸せに過ごす年越しが、これから先もずっと続けばいい。
「司」
「ん?」
「来年も再来年も……ずーっと先もさ……」
「うん。一緒に年越ししたいね」
にこりと笑った司に堪らずに唇で触れる。
「ちょっと……ちゃんとカウントダウンしよって言ったよね?」
「……分かってるよ」
渋々引き下がったら、ふふふ、と司が笑う。
「……後、5分ね」
甘過ぎる誘惑のカウントダウンに酔いしれながら、しなやかな体を後ろから抱き締めた。
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