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ダンジョン編ー見習い騎士メルト― 第16話※

 ヒューの太くて大きい熱いそれが中に入ってくる。中を押し開くそれを内壁が柔らかく包み込むようにして絡みつく。奥から滲む潤滑液で痛くはない。  先走りに込められた魔力が内部からじわり染みてくる熱さを感じてそれだけで気持ちがいい。 「あ…熱、い…おっきい…」  目尻から、涙が零れた。入ってくる感覚に息が詰まる。いてもたってもいられずにヒューの背に伸ばした手がその背中を彷徨う。 「メルト…全部入った…わかるか?」  ちゅっと目尻の涙を吸いとって、ヒューが微笑んだ。中が熱い。うねって、ヒューを締めつけた。 「わ、わかる…太いの、入ってる…」  頷くと、ヒューは俺に口付けた。嬉しそうな表情が、嬉しくて、夢中になってキスを返した。  その間もヒューの昂りは質量を増して堅くなる。繋がっている感覚に胸が熱くなった。 「…は…嬉しい…ヒュー…」  唇が離されてつい呟きが漏れる。  ヒューが息を飲むのがわかって、ぼんやりとヒューを見た。切羽詰まった顔をしたヒューが見えた。 「メルト、動くよ?」  腰が引かれて擦られる感覚に震えが走る。勢いをつけて腰が打ちつけられて俺は仰け反った。  気持ちいい…どうしよう、ものすごく気持ちがいい。俺のモノも先走りが溢れて腹を濡らした。  中をかき回されて、前立腺を擦られて、揺さぶられて、全部が初めての体験に意識が白くなる。快感しか考えられなくなって、ヒューに縋った。 「…あっ…あっ…ヒュー…ヒューっ…」  出る声はすすり泣きのようになって、縋る手はヒューの背中をひっかいてしまった。 「や…イイ…イく…イくッ…あっ…あああああっ…」  達した瞬間、ヒューを目いっぱい締め付けて俺は果てた。ヒューも達したようで奥に熱いモノが広がった。全身を快感が駆け抜けて、俺はそこで意識を失ってしまった。 「……ト…、メルト…」  俺を呼ぶ、ヒューの声が聞こえて目を覚ました。 「…ん…ヒュー?」  ほっとした顔のヒューが見えて、首を傾げた。抱きしめられて起こされる。 「よかった…無理させちゃった?」  顔中にキスされて、俺は真っ赤になりながら思い出した。無理、というのに首を横に振る。 「意識、失って、た?」  ぎゅうぎゅうと抱きしめるヒューに息をつまらせながら言った。 「うん。ほんの5分ほどだけど…」  俺は赤い顔のままヒューを見た。中に入ってる感じはしなかった。身体もさっぱりしてた。  でも動くと何かが流れてくるようだった。これは、ヒューの子種?  嬉しくなって零れないように力を込めた。まだ中は熱い。 「なんか、凄かった…身体中気持ちよくなった…」  ヒューの胸に顔を埋めて目を閉じた。体温が気持ちいい。 「…あー魔力のせいかな? 俺の魔力がメルトの魔力回路に伝わったんじゃないかな?」  魔力?魔力回路?? 「相性がいいから、気持ちいいんだよな。俺もメルトの魔力感じた。包まれて気持ちよかった。」  優しい目が俺を見る。その目が俺の事を好きだって言ってるようで、嬉しくて胸がドキドキした。 「俺、魔力…ある…?」  そう問うとヒューがきょとんとした顔をした。 「魔力のない生き物はこの世界に存在しないよ?魔力を外に出せないだけだろ?メルトは。それだって、俺なら多分、治せると思う。」  治る?魔法医の診断では、無理だって言われたのに? 「…団に来た魔法医には、治せないって言われたけど…」  俺の頬に手を添えてヒューは微笑んだ。 「メルトの魔力の相性問題があったからだろう?治すやり方はちょっと特殊だし。誰でもできるようなことじゃないんだ。今は少し、魔力を出せるはずだよ? 回路の詰まり、俺の魔力が流れたことで、少し改善してるようだから。」  え?えええ? 「本格的に治すのはダンジョン出てから、だな。メルトは潜在的な魔力量は豊富なようだから色々できるようになると思う。」  頬を撫でられるとその心地よさにぼうっとしてしまう。このままずっと、ヒューの腕の中にいたいと、本気で思ってしまった。 「少し休んだらご飯にしようか? お昼食べてなかったよな?」  ヒューは俺を抱えたままベッドに転がる。お互い何も着てないままだけど、それが嬉しくて俺からも抱きついた。  俺が食事より、剣より優先するものができるなんて、ここへ飛ばされた瞬間だって思ってなかった。  ヒューが好き。ずっと一緒にいたい。  早くここを出て、伴侶になって、一緒に暮らすんだ。  ヒューがいう“いちゃいちゃ”して過ごした翌日から、残りの探索を始めた。ゴーレムばかりが出る区域を抜けると今度は人型が多く出た。ゴブリン、オーガ、オーク、サイクロプス。  大体は徒党を組み、上位のクラスのモノばかりだった。リーダーやジェネラルなどに統率されて現れた。統率される個体はノーマルではなく何らかの能力を特化した個体ばかりだった。魔法や、スキル、身体強化、弓、ライダー等。少なくとも脅威度Bクラス以上だった。  防御と支援はヒューに任せて俺が攻撃に回る。格上の魔物のはずなのに、身体が軽くて、動きが見える。ヒューの支援魔法のおかげが多分にあるだろうけれど、俺自身が強くなっている気がする。  そして俺はついに斬撃を覚えた。  まだ粗削りでスキルに振り回されているけど、使っていくうちに馴染んできた。ヒューにアドバイスをもらって、無駄のない剣さばきも身につけようとしている。  支援魔法は、ヒューと夜を過ごす度に身体にますます馴染むようになった。効果が上がっている気がする。  俺が聞くと、ヒューは『相性がいいから』で何でも済まそうとする。  反論できる根拠がないから、原因をはっきりとは言えないけど。ヒューの魔力が俺の中を“巡って”いるからなんだろうか。  少し魔力を外に出せるようになった。魔力が身体を巡る感覚が掴めるようになったからだ。  俺にとっては大きな進歩だ。いつか、自分で身体強化ができるかもしれない。 「メルト、この防具と、シャツとズボン、ブーツはこれで。着てみてくれる?いい加減、くたびれてきただろう?元の防具や上着なんかはマジックバッグに入れておけばいい。その程度は入るようだし。何なら改造して容量増やすこともできるよ?」  渡されたのは首の半分までの襟のある、柔らかめで丈夫なクリーム色の長袖シャツ(魔物素材らしい)。魔物の鋼糸が編み込んである長そでの下着とパンツも一緒に渡された。  ズボンは足首まででぴったりした伸縮性のある光沢のある黒い皮だった。  防具は肩と胸あては厚めの軽い皮。太めの前が急所を覆うように少し大きめにカーブを描いて太くなっているベルト。それに鞘を吊るした。  肘と膝当ても、動きを邪魔しない軽い厚めの皮だった。皮の防具はくすんだ臙脂色だった。  深い黒に近い深緑の皮のブーツも軽く、足にぴったり合った。足の指をガードするようになっていて触ると堅かった。  どれも軽くて動きやすく、通気性もよかった。動いてもあまり音もなく、防具が邪魔にならない。 「これ、俺が着て…いいの?」  もしかしたら相当いい品かもしれない。どうしよう。Sランクくらいの冒険者が着るような値段だったら。 「もちろん。これからボス戦をするかもしれないんだから、怪我する確率は下げておきたいんだ。大事な伴侶だからね。メルトは。」  大事な伴侶。聞いた途端顔が赤くなった。言葉に窮しているとヒューに抱きよせられた。 「俺は甘やかすの得意だし、独占欲も強いから。覚悟しておいて?」  ヒューは俺が赤くなるのを狙ってるとしか思えない。世の中のメイルって恋人にはみんなこんな感じなのか?  絶対違う。  ヒューだから、に決まっている。絶対。 ※メルトのもらった装備※  上着はダンジョン産特殊糸(柔らかくて丈夫。サイズ変化の特性あり)・下着は楔帷子のような感じですが、素材は絹のように肌触りがいい。蜘蛛系の魔物の糸が鋼糸、他の糸は蚕のような魔物の糸・防具は火竜の皮・ブーツはワイバーンの上位個体のため、重量軽減と速度強化の効果あり。  全てに防御の魔法が付与されている。付与者はヒュー。  大変に高価な物。しかし素材はすべてヒューが狩ったものなので、タダだと言い張るかもしれません。

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