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第12話 - 3

ハワイに行く話が出た頃には、もしかしたらもう意識していたのかもしれませんが、その時点では、憧れていたという方が合っていると思いますね。 でも男同士ですし、私は恋愛経験自体ほとんどなかったので、それがどういう思いなのか、自分でも正直わからなかったです。 ただ一緒にいると楽しくて、教わる事が多いのが刺激的で。 非常に綺麗な顔立ちで、物腰も優しく穏やかで、一緒にいれば誰だって好意を持つと思います。こういう男がモテるんだろうなと思いました。 前半はワイキキに滞在して、レッスンや街歩きを楽しみました。 後半はノースにジョージの友人の別荘があるというので、そちらに移動しました。 海に面した、小さいんですが感じの良い家でね。 そして、周りに何もないんです。静かで、自然に囲まれて、素晴らしい所でした。 車で10分か15分か走れば、ハレイワの町があるし、反対側に行けばスーパーなんかもあって、買い物や食事に出かけたりしてね。 別荘の前は岩場に囲まれた小さな砂浜で、プライベートビーチのようになっています。潮が引いたら岩場の向こう側まで散歩して。 夜は月明かりで海面がキラキラ輝くんです。 ジョージが裸で泳ごうと言うので、最初はちょっと恥ずかしかったんですがね。 他に誰もいないし、まあいいかと思い切って入ると、海水が心地よく全身を受け入れてくれるようで、なんともいえない、愉快で、楽しくて、幸せな…… ものすごい解放感で。 生まれて初めての感覚でした。 そこでジョージから告白されて、初めてキスをしました。 驚きました。 けど、幻想的な夜の海の、映画の中みたいな雰囲気にのまれたのか、 そのまま夜を過ごす事になって。 僕はすべてを受け入れました。 はい、初めてです。 でも不思議と恥ずかしいとも感じなくてね…… なるべくしてなったような、深い所で腑に落ちるような感覚でした。 日本に帰って、また日常に戻りました。 普段通り出勤し、週2回は小池と一緒にレッスンを受け、週末はジョージと過ごす。 すべてが順調だと思っていました。

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