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お題『寝る? それとも寝る?』

 あのさ。  確かに俺は、お前相手なら、  男同士でも大丈夫かなとは思ったよ。  お前とは話も趣味も合うし、  部活も同じだし、  食べたいものも、観たい映画も大体被る。  お前の隣は、他の誰より気楽だし、  女の子相手と違って、変な気遣いも見栄も必要ない。  お前と居るときだけは、  いつでも飾らない自分で居られる。  だから、そんなお前から「好きだ」って言われたときも、  驚くより、ただ純粋に嬉しいと思った。  真っ直ぐな好意っていうのは、強く心を揺さぶるんだと知った。  何より、お前も俺に対して本音を曝してくれたことが、  俺は凄く嬉しかったんだ。  ──そう、嬉しかったんだけど……。  新しいゲームを買ったと聞いて、  何気なく家へ遊びに行ったつもりだったのに、  どうして俺は、部屋に入るなりベッドに押し倒されてるんだ!?  そもそも俺たち、まだキスどころか手も繋いだことなかった気がするんだけど、  動揺している俺が初心すぎるのか?  いやでもだって。  男同士って、色々勝手が違うだろ。  心も身体も、それなりに準備が必要なわけで……。  魚みたいに口を開閉させながら、狼狽る俺を見下ろして、  お前が不敵に笑う。 「ねぇ……俺と寝てくれる? それとも、寝る?」  ……男なんて、本性は結局オオカミだ。  でもそんな遠慮のない本音が、やっぱり少し嬉しいと思ってしまうから、  こういうのを、  惚れた弱味って言うんだろう。 「それ、俺に拒否権ないだろ……」  こうなったら仕方ない。  俺も男だ。  そう簡単に逃げて堪るかという意地もある。  ここまで来たら、  お前の欲求ごと全部、  俺が丸呑みにしてやるから覚悟しろ。

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