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第3話
幸樹side
理久と付き合い始めたのは中学2年生の終業式。
その頃僕と理久は一緒のクラスで親友のような関係だった。
告白された時、幸樹は理久に対してそういう感情は持っておらず、試しでいいからと言われ付き合い始めることになった。
人間というものはずっとそばにいると情がわく。
その言葉の通り、次第に僕は理久のことを好きになり始めた。
いつだっただろうか。
理久が自分以外にも僕と同じような感情を他人に向けるようになったのは。
浮気された当初はただ悲しいだけの感情だった。だが、不思議と怒りはなかった。
あぁ、僕の価値はそんなものだったんだなと…
何ヶ月に1回僕の元にきては去っていくという繰り返し。
もう僕には感情というものがなくなっていくような感じがした。
今日も僕は仮面の"僕"を被って生きていく。
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