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気づかない時
僕は兄である零一が大好きだった。
常に寝食共にし、べったりして離れなかった。両親たちも微笑ましく見守っててこの家族の元に生まれてほんとによかったと思う。
でもその幸せが崩れたのは僕が10歳の時のバース診断の時だった。
両親はα×Ωの夫夫だった、噂で聞く運命の番らしい。
男同志でも番えるこの世の中で、兄はαと診断され、両親に物凄い喜ばれたのを今でも覚えている。
僕も両親を喜ばせたかったのに…。
僕の結果は
Ω
だった
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そこからの僕の人生はどんどん落下してった。
初めての発情期は14歳の時。僕は兄の部屋で一緒にゲームをしていた。
だんだん体があつくなることに違和感を覚えたが、ゲームをやってるからだろうと思ってそこまで変に思わなかった。
だが、息が苦しくなってきた時に、急に兄に押し倒された。
「祐、好きだよ」
そう言った兄は蕩けるほどの目で僕を映した。
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気づいた時には、僕はベッドの上に寝っ転がっていた。
夢かと錯覚してしまう程の気持ちいい目覚めだ…。
だが、この部屋に見覚えがない
窓もないこの部屋。
ベッド降りようとするとジャラッという音がきこえる。
音が聞こえた方を見ると僕の左足に鎖がついていた。
すると、
扉が開き、兄がいた。
「ふふっ、そんな顔してどうしたの?」
「あ、あの、お兄ちゃん。ここはどこ?」
「ここかい?素敵な場所だろう?祐のために用意したんだ。僕と祐が愛を育む部屋だよ。」
兄の言っている意味が全く僕にはわからない。
「な、なんで」
「なんで?それは僕と祐が番だからに決まってるだろう?」
「え、」
「父さんたちも僕が祐のこと監禁しようとする計画に気づいちゃって必死に話そうとしてたけど、祐はそんなことも知らずにのこのこと僕の部屋に来て…。もう誘ってるのと同じだよね?安心して、もう邪魔者はいないんだ。今頃2人とも楽しんでると思うよ。」
頭の中で警報がなる。お兄ちゃんに捕まってはダメだと。
今更逃げたって鎖がついてるから勝ち目がない。
両親がいない今は僕に味方なんていない…。
「さぁ、邪魔者はもういないし、僕達も愛を育もうか」
「ヒッ」
お兄ちゃんが僕の方に近づいてくる。
「い、いやだ、来ないで」
「ハハッ、照れてるの?本当に可愛いよ」
そう言いながら抱きしめてきた。
「愛してるよ、祐」
あぁ、どこから道を間違えたのだろうか…。
無防備な兎は近づいてくる狼に気づかない
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1年後
「祐、ただいま」
愛しい旦那様の声がする
僕は夕飯を作るのをやめ、ジャラジャラ鎖を鳴らしながら玄関に行った。
「おかえりなさい!お腹空いた??
僕寂しかったんだ…だから、早く僕を食べて…?」
抱きしめながらいう僕に旦那様がもちろんと笑顔で答えた。
旦那様がたてた計画通りに行っている人生に僕は一生知ることはないだろう
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読んでいただきありがとうございました!!
いかがだったでしょうか?文の無理矢理感が本当に申し訳ないです…笑
一応、これで完結ですが、番外として零一saidも出していこうかと!!
親は死んでいません!両親がどうなったのかは零一saidで出そうかと思っています!
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