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第4話☘️再会とダブルデート

「未央?」 お泊まりから三ヶ月後、 晄さん達とダフルデートの 約束をして桂二さんと待ち合わせ場所で 二人を待っていると声をかけられた。 声が聞こえた方を向くと そこには結凪叔父さんと夏楓さんがいた。 『ぇ!? 何で二人が!?』 十一年前に出ていったきり 音沙汰なしだったのに…… 「隣に居るのは恋人か?」 僕の横に座り、成り行きを 見守っていた桂二さんを見て言った。 『うん、恋人の條原桂二さん。 桂二さん、こちらはこの間 話しに出た結凪伯父さんと 恋人の夏楓さんですよ』 紹介すると桂二が挨拶した。 『初めまして、 未央の恋人の條原桂二です』 三人の自己紹介が終わり、 この間の話しをすると 二人は苦笑いした。 「義弟と妹がすまなかったね」 伯父さんが謝ることじゃないのに…… 『いえ、最終的には 認めてもらいましたから』 ただ……と桂二さんは 続けてこう言った。 『未央が父親さんを 殴ったのは予想外でしたけど』 もぉ、余計なことを…… 「十一年で強くなったな」 今度は苦笑いじゃなく 笑顔で僕の頭を撫でた。 「條原さんは未央君より かなり年上に見えるけど今幾つ?」 『三十四です』 十六歳差の僕達。 「僕と四つしか違わないんだ」 どこか楽しそうな夏楓さん。 「未央、こんな年上 何処で知り合った?」 確かに普通ならありえない歳の差。 社会人ならいざ知らず僕は学生だ。 「当ててあげようか」 夏楓さんが又しても 楽しそうな声で言った。 「未央君が通う 高校のそれも体育の先生でしょう」 凄い‼ 担当科目まで当てちゃった。 「そうなのか未央」 『うん、夏楓さんの言う通り 桂二さんはうちの学校の体育教師だよ』 晄さん達が来るまで 四人で沢山話しをした。 「そうだ、これ」 伯父さんが帰りしなに 差し出してきた手帳を 破ったそれには 二人の携番とアドと それから住所が書かれていた。 「なんかあったら 電話なりメールなり連絡しろ。 なんだったら 直接来ても構わないからな」 それだけ言うと伯父さん達は 駅の方に歩いて行った。 そこに書かれていた住所は 車で行っても 三時間くらいかかる所だった。 「葛原君」 伯父さん達と別れて 三十分後に晄さん達が来た。 晄さんの隣に居たのは えらく綺麗で整った顔をした 可愛らしい子だった。 『晄さん、遅い‼』 僕が態と膨れた顔をすると 「ごめんごめん」と軽く謝った。 「この子が僕の恋人で 幼馴染みの忍足綺芽だよ」 成る程、幼馴染みか。 名前も可愛らしい子だなぁ。 『初めまして、葛原未央です。 隣に居るのが恋人の條原桂二さんです』 タメだとは事前に聴いていたけど 初対面の人にはつい敬語になってしまう。 「“みぃ君”って呼んでもいいかな?」 ゎぁ~ 初めて呼ばれる呼び方だぁ。 『勿論ですよ。 僕はなんて呼べば?』 「好きに呼んで? 後、タメ語で」 やっぱ、そこにつっこむよね。 本人がいいって 言ってるから普通に話そう。 『じゃぁ、 “あや君”って呼んでもいい?』 倣ってみたけど、どうだろうか? 「いいよ♪」 よかった…… 『よろしくね』 「うん、よろしく♪ 條原さんもよろしくお願いします」 あや君が桂二さんにお辞儀した。 挨拶も終わったところで 早速、ダフルデートを開始した。 同い年のあや君とは お互いの学校の話しをしたり 学校での晄さんの 様子を訊かれたりした。 「俺達って周りから見たら どんな風に見えんだろな」 桂二さんが晄さんに そんなことをきいてるのが 風に乗って聞こえてきた。 あや君にも聞こえたらしい。 「僕とみぃ君は いかにも学生同士だけど 後ろの二人と知り合いだなんて 行き交う人達は思わないだろうね」 クスクスっと楽しそうにあや君が笑った。 確かにそうかも知れないと思った。 行き先は決まってなかった。 少し、距離をあけて 歩く教師二人はスマホを 見ながら何か話していたいた。 「綺芽、葛原君、 行き先だけど、水族館でいいかな?」 水族館なんて 久しぶりだなぁ*:..。♡*゚ 『僕はいいですよ。 あや君は?』 「いいよ♪ 水族館なんて久しぶり」 あや君も久しぶりなんだ。 嬉しそうだ。 『じゃぁ決まりだな』 行き先が決まった。 歩いて駅に向かい、 水族館行きのバスに乗った。 *゜*゜*゜*゜ *゜*゜*゜*゜ *゜*゜*゜ バスに乗って一時間程で着いた。 四人で見て回り、 最後にお土産屋さんに寄った。 僕とあや君はそれぞれの恋人に イルカとゴマアザラシのぬいぐるみを 買ってもらい、今日の記念に 僕が三人に お揃いのストラップを買った。 「楽しかったね」 帰りのバスの中であや君が ニコニコしながら言った。 『そうだね』 お揃いのストラップを 眺めながら僕は答えた。 *゜*゜*゜*゜ *゜*゜*゜*゜ *゜*゜*゜ 『桂二さん、家に行ってもいい?』 寄る所があるという 二人は途中で降りたため 今は桂二さんと二人だ。 『……今日はやめといた方がいい』 目を反らしながら桂二さんは言った。 『何で?』 下からから覗き込むと 桂二さんが照れてることに気付いた。 もしかして…… 『今日、一葉ちゃんがいないの?』 土曜日だもん、中学生の女の子なら 友達と遊びに行っていても 不思議じゃない。 内心、ラッキーと思った僕は 悪い奴かも知れない。 案の定当たった。

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