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第13話※

 翌日の朝。結局俺は夜眠ることができず、目の下に隈をつくって朝を迎えた。  すぐ隣には俺に抱きついたまますやすやと気持ちよさそうに眠る二葉の姿。  嬉しそうに笑い、満足した様子の二葉は何事もなかったかのように俺に抱きつき、その体勢のまま眠った。  カタカタと小さく震える体になんとか、カツを入れ再び二葉とともにベッドへ横になったが、殺されかけたという事実を流すことができるはずもなく、俺は恐怖に支配されていた。  未だに外は雨や風で荒れ、木々は大きく横に揺れている。  ― 今日もあんなことがあったのに二葉と2人きりなのか...  どう二葉と接すればいいのか分からない。  「..ん?」  これから数日どうしようかと悩んでいたその時、タイミング良く携帯の着信音が鳴り響いた。  ―  ――  ―――  「本当助かったわ。ありがとうな、穂波」  「いや、気にすんなよ。もう熱も下がってきてるし、暴れないでそのまま大人しく寝てろよ」  「うっせー、わかってるよ」  「それじゃあ、またな」  「おうっ」  ニッと笑い、俺を見送る友人。その顔は朝見たときとは違い、大分スッキリした顔をしていた。  今朝電話が着たときはどうしたことかと思ったが、元気になってよかった。  両親が用事で実家に帰っていることもあり、熱をだし俺に助けを求めてきた友人を病院まで連れて行ってやり、夜まで看病していた。  友人はとてもそのことについて感謝していたが、逆に俺の方が礼を言いたい気分だった。  少しでも今は二葉と距離を置きたいと思っていた俺からすれば、1日中居座らせてくれた友人の存在は正直ありがたかった。  二葉がまだ眠っているうちに家を出たため、会話はしていない。 連絡と言ってもメールで“友達の看病をしてくる。今日中には帰る”そう伝えただけで、それからすぐに携帯の電源は切ったため、メールのやりとりも電話もしていない。  そうして友人宅を出て静かな夜道を歩く。  時刻は10時を過ぎており、最終バスぎりぎりで家に帰った。

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