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第2話✨さようならは僕から
夏休みに入る二週間前、
静棋さんの誘いを断った。
別れようとしているのに
抱かれてしまったら
離れられなくなって
しまうとわかっていたから……
『静棋さん、別れましょう』
夏休みになれば
家族のもとで過ごすだろう。
今では部屋の中は
自由にさせてもらっているから
本当の自分ん家のように
寛ぎ、冷蔵庫を開け
料理したりしている。
『愁、何でいきなり……』
『僕はこの四ヶ月、
本当に幸せでした。
だけど、静棋さんには
帰る場所があります。
寂しいですけどね(苦笑)
それ以前にこの関係は
貴方の家族を悲しませている……
だから、別れましょう?
一週間以内には出て行きますから……』
僕は一生、子供を作れない。
でも、それはいい。
この性癖に気付いた時から
諦めていたから。
たった四ヶ月だったけど
僕は愛されていると感じられた。
彼の家族を悲しませていると
頭ではわかっていながら
心は十八年間生きてきた中で
一番満たされていた。
だから、大丈夫。
此処を出ていっても
思い出だけで生きて行ける。
静棋さんには
家族を大事にしてほしい。
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