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第10話◎卒業

冬休みも明け、三学期は 何事もなく無事に終わった。 そして、季節は冬から春に。 ¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢ 石浜先輩達が卒業し 俺達が三年になった。 来年の春には 四人であのマンションに 暮らせることを願っている。 果たして、おじさんが 家を出ることを許してくれるか…… 短い春休みの間も 俺はマンションに泊まっていた。 親父と顔を合わせたくなかったし 向こうも俺顔なんか見たくないだろう。 母さんには春休み中に話したら 亮に会いたいと言われたな。 だから、卒業式の後で 会わせると約束した。 後一年。 俺達の関係が バレないようにしなくちゃな。 ¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢ 月日が経つのは早いもので 高校最後の夏休みが来た。 去年と変わらず のんびりと過ごした。 俺は大学に行けるような頭はないから 専業主夫になることにした。 慎は近場の専門学校に行くことに。 夏休みが明けると 目まぐるしい月日は流れ 秋が過ぎて冬になり 慎も専門学校に受かり 残るは卒業を待つだけとなった。 そして、三月某日 今日は卒業式だ。 保護者席に親父の姿はない。 無事に式も謝恩会も終わった。 お開きになり 俺は亮の手を引いて 母さんのところへと向かった。 「母さん」 ホテルの入り口にいた母さんは 俺が声をかけるまで 気付かなかったらしい。 「貴也、吃驚したじゃない」 マンションにいることの多い俺は 実は母さんと話すのは 半月振りだった。 「あら、的木先生が恋人だったのね♬*゜」 根本的にズレている気がする(苦笑) 「お久しぶりです」 亮が母さんにお辞儀をした。 「よかったわね。 あんた、一年生の時から 的木先生のこと好きだったでしょ?」 何でバレてんだ!? 母さん恐るべし。 「そうだったの?」 今更ながら本人にもバレてるし…… 「そうだよ。 一目惚れだったんだ//////」 付き合って約一年で こんなことをカミングアウト することになるとは…… しかも、卒業式に(苦笑) 「貴也のこと よろしくお願いしますね」 「はい」 今日から、俺の家は 亮がいるマンションだ。 「あんたも父さんがいない時は 帰って来ていいんだからね」 母さん…… 「ありがとう」 駅まで三人で歩いた。 「じゃぁね、私は帰るわ」 謝恩会をしたホテルから 家まではそんなに距離はない。 「わかった、また連絡する」 母さんに手を振って 俺達はパーキングに向かった。 ¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢ マンションに着き、 制服から着替えた。 明日から着なくなっても 記念写真は沢山撮ったから大丈夫だ。 「卒業おめでとう」 抱き締められた後 額にキスされた////// 「ありがとう」 ¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢ 慎が一緒に住めるかは 雪村からの連絡を待つしかない。 果たして上手くいくのか……(苦笑) 夕方になっても 連絡がこないことに焦れた 俺達は慎の家に行くことにした。 恐らく拗れているであろう 話し合いに参戦しに。 「やっぱり、おじさんが そうそう慎を家から出すわけないか」 慎の父親は所謂“親バカ”だ。 「去年のお泊まりや旅行も 最初はかなり反対してたもんね」 あれはあくまでも 数日だったからな…… かろうじて 許容範囲内だったんだろう。 しかし、今回は 話の規模が違う。 「まぁな。 雪村大丈夫か?」 「大丈夫だよ。 静は笹山君を愛してるからね」 そりゃ、見てりゃわかる。 「俺も貴也のこと愛してるからね」 貴重な二人っきりの時間。 「俺も愛してる」

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