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第一章・俺のバイトが増えたわけ
駅のホームでその姿を見た時、藤井 公彦(ふじい きみひこ)は、これは夢かと眼を疑った。
淡い色の柔らかな髪。
透き通るように白い肌。
輝く瞳と珊瑚のような唇に、すらりと長い手足。
清水葵(しみず あおい)。
あの頃と、ちっとも変っていない。
いや、あの頃よりもっと綺麗になっている。
今朝は、早くに目が覚めた。
いつもなら二度寝をするところだが、なぜか目が冴えてそのまま起き出した。
遅刻するよりまし、と早めにアパートを出て、普段より一つ前の電車に乗ろうとホームに並んでいたのだ。
そこで、清水と再会した。
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