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第三章・7

  「なぁ、河島。海江田先輩はまだ帰らないのかな?」 「うん、先輩が戻るのは毎日7時くらいだよ」    そうかそうか、と佐藤はにんまり笑った。 「じゃあさ、とっておきを見ちゃおうぜ♪」 「とっておき?」  アクション、SF、アニメと散々観た上に、まだ何かあるのか。  佐藤が掲げて見せたパッケージには、往年の名作タイトルがあった。  涙の感動大作だ。  しかし、中のディスクをデッキにセットすると、画面はたちまちピンク色の雰囲気に包まれた。

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