60 / 239

第三章・12

 生唾を飲みながら画面を食い入るように観ていたその時、玄関口から声がした。 「帰ったぞ。何だ、誰か来てるのか。友達か?」  番長!  海江田先輩が帰ってきた!!  佐藤はあわててデッキを止めると、ディスクを取り出した。  わたわたと手元をもつれさせながらパッケージにそれを納め、ほか数枚と共に千尋に押し付けた。 「こッこれ、ここで預かっててくれよ!」 「どうして!?」 「お母さんに見つかるとヤバいんだよ。頼むぜ!」

ともだちにシェアしよう!