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第22話

雀達のさえずりが聞こえ 強い光が顔に直接当たり、俺は無理やり起こされた。 「ううンっ…眩しい…。」 光の正体はカーテンの隙間から差し込む朝日だった。 昨夜ちゃんと閉めずに寝てしまったらしい。 もう少し寝ていたくてカーテンの光に背を向けようと 寝がえりをうとうとしたらと全身に激痛が走る! 「痛っ、ぁっ!」 どうしたんだ?! 左前頭部がズキズキと痛み、身体もあちこち痛い。 何をしたんだろう? 全身を襲うこの気怠さは何なんだ? とにかく もの凄く怠くて身体が言うことをきかない。 「つつっ………」 痛みが走る身体はを起こして周りを見回す。 自分の部屋なのに何だかいつもと違う感じがする。 …このジュースの香りのせいか?…?…なんだろ?…どこかで嗅いだよーな… そういえば、いつ家に帰ってきたんだろう…記憶がない… ぼーっと白い壁を見詰めて寝ぼけた頭で思い出してみる。 確か…昨日…毅が結婚するってメールと電話が来たんだ。 思い出すと悔しくて涙ぐむ。 「う…くそっ…」 ………そういえば、俺 帰りにビールを飲んでたな…… …左側が痛いのは…酔ってどこかにぶつけたのか? 完璧に飲み過ぎたんだ…危ないな……気をつけなくちゃ………。 ……今、何時だろう…?… ベッドの棚に置いてある目ざまし時計を手にとろうと横を向くと…隣に男が寝ている。 あ、いつの間にか毅が泊りに来てる! そうか、それで身体が怠いんだな。 もう、久しぶりだからって無茶すんなよ。 人の身体を何だと思っているんだ。 俺の事、もう少し大事にしてくれよな。 ……ん?……あれ?……昨日電話で結婚するって聞いたけど… ここに毅がいるって事は…… 結婚の話は夢だったのか! そうだよな。 毅が嫌いな女と結婚するなんてそんなことあるわけがない。 起きたら話してみようかな。 毅にウケるかな? 夢の話をした時の態度を想像して笑みがこぼれる。 『この俺があんなチビデブと結婚?!ありえないだろ。ウザッ!変な夢見るなよ!』 「ふふ、絶対言いそう……ん?」 寝ぼけた頭が少しずつ冴えてくる。 あれ? 毅? なんかおかしくないか? 髪の色が…… 違う あ、……会わないうちに染めた? 毅の髪から首筋、はだけた布団からのぞかせている肩へと視線を降ろしていく。 石膏像のように滑らかでシミ一つない肌、均整がとれた細身でとても美しい。 毅の体は、がっちりとした筋肉質で、日焼けしていて…… 隣の男とは まるで違う………………………。 「えっ!」 毅じゃない? 驚いて後ずさると壁に直接肌がぶつかり 自分が裸になっている事に気づいた。 「わあっ!」 慌てて布団にもぐる。 っ…嘘っ…なんで…嘘ぉッ…まさか…まさか……俺………見ず知らずの男と…… 昨日の結婚の話はやっぱり本当の事で… 俺は記憶がなくなるほど自棄酒したって事?! しかも酔っ払って男をお持ち帰り?!?!  わああああああああっ!! それって最悪じゃないか!! あれは、こんな事するほどショックなことだったのか? イヤ、確かにショックだったし、かなり頭に来たけど…… こんなだらしない事するなんて考えられない! 自分で言うのもなんだが俺は誰とでも寝るような事は今までした事ない! そんな事が出来るくらいならあんな男、放っておいて、とっくに浮気している!!! 夢であって欲しくて、そっと布団から顔を出してベッドの隣に目をやると男が消えているわけもなくがしっかりと横たわっている……………

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