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第8話
そして、超難関有名大学の名前を、つらつらと述べる敏樹に崇はすっかり気圧されていた。
こんな良い所のお坊ちゃんで成績も超優秀な先輩と、釣り合う話なんかできやしない。
「崇くんの事は、昨日結愛から相談を受けてね」
「え!?」
「ラブレターもらったけど、どうしたらいいと思う? ってね」
と、いう事は、敏樹さんもあのラブレターを!
崇の心中とはうらはらに、敏樹は明るく語りかけてくる。
「読ませてもらったよ。結愛を想う気持ちが素直に書けてたね。字も一生懸命ていねいに書いてあったし」
好感が持てたよ、と言う敏樹の笑顔は、今までで一番懐きやすかった。
そして、その笑顔に騙されることとなった。
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