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第34話
敏樹さん、と崇は声をかけた。
今度はハッキリと、でも優しい響きで。
「キス、してもいいですか」
「え?」
返事を待たずに、崇は敏樹に唇を重ねた。
初めは驚いたような敏樹だったが、やがてゆったりと互いに舌を絡ませ合った。
静かな、だが熱を帯びたキスだった。
「僕、確かに妹さんの事が好きです。だけど、それと同じくらい、敏樹さんの事も好きになっちゃったんです」
「崇くん」
「100回以上、愛し合いましょう」
敏樹は、もう何も言わずに崇を抱きしめた。
紅茶だけが、どんどん冷めていった。
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