19 / 34

第19話

 すばやく男の手のひらが、海の精をすくい上げた。 「後ろの方も、物欲しそうにヒクついてるよ」  生温かい海の体液が、男の醜悪なペニスに塗りたくられた。 「準備はいいかい?」 「あ、や……ッ。ヤだ」 「三度目の正直、だよ!」  ぐん、と男の肉茎が海の身体の深くまで貫いた。 「んんぅッ!」 (ダメぇッ! ぞくぞくして……ッ!)  男の臭い息が、耳元を湿らせる。  腰をやるたびに、粘っこい水音が響く。  ぬちっ、ぬちっ、くちっ、くちゅ。 「ひ……ッ、う……、あ……っ」 (電車の……中で、こんな……。音……聞こえ……ちゃうっ!)

ともだちにシェアしよう!