『二人とも、その女知ってるの?』 俺が訊くと二人は黙って頷いた。 「御笠は隣のｸﾗｽなんだ」 啓隆の恋人が俺《男》だと知って 別れさせようと思ったわけだ。 しかし、この女は啓隆の 性格をわかっていないな。 自分で言うのもなんだが 俺は愛されている。 恋人を傷つけられて 啓隆が黙っているはずがない。 『あいつか…… 遥人を傷つけたからには 女だからといって容赦しない(ﾆﾔﾘ)』 ほら、やっぱり こうなると思った。 御愁傷様って感じだな。 啓隆が例の女を殺る 算段をしている間に 俊暎が龍己さんに訊ねた。 「あの、お二人とも 〔篠瀬花菜深〕という方を ご存じですか?」 誰? 「何で俊暎が篠瀬を知ってるんだ?」 龍己さんは少し動揺している。 「やはり、ご存じなんですね」 質問には答えずに 俊暎はまた訊いた。 『篠瀬はｸﾗｽﾒｲﾄだよ』 啓隆が答えた。 「実は花菜さんは緤の従姉なんです」 緤の従姉が啓隆達のｸﾗｽﾒｲﾄ…… 凄い偶然だなぁΣ(๑°ㅁ°๑)!! 「それで俊暎が知っていたのか」 龍己さんがﾎｯとした声で言った。 浮気の心配はしてないだろうけど 同じｸﾗｽの緤以外の女 (しかしも龍己さん達のｸﾗｽﾒｲﾄ)の 名前が出てきて一瞬、 不安になったに違いない。 「心配しなくても僕は 龍己さん以外の人を 愛するつもりはありませんから」 俊暎、男前❢❢ 俺も啓隆以外愛せない。 *★*――――*★**★*――――*★* あの日から二週間、 緤や花菜深さんのお蔭で 俺への嫌がらせも 暴力も綺麗さっぱりなくなった。 啓隆はやっぱり 女だからといって 容赦するはずもなく 逆にその女が 可愛そうになるくらだった(苦笑) 俺が止めなければ あの女は精神的に 可笑しくなったいただろうな…… まぁ、これに懲りて 俺へはなにもしてこないだろう(ﾆﾔﾘ) 四人とも、元々はﾉﾝｹだったし 女と付き合ったことがないわけじゃない。 でも、俺達は出会ってしまった。 俺は啓隆に。俊暎は龍己さんに。 同性だとかどうでもよくなるくらい 俺達はそれぞれ愛し合っている。