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第15-2話初夜の後遺症は根深くて

「待て。言いそびれていたが――」  ぽんっ。ケイロが俺の肩を軽く叩いて話しかけてくる。その途端、 「……ッッ?! ぁぁ……ッ」  昨日ケイロから散々教え込まれた感覚が――快感が俺の全身を駆け巡り、思わず膝から力抜けてその場に崩れ落ちてしまった。  この反応が意外だったのか、ケイロは目を丸くしながら俺を凝視してきた。 「どうした太智……? 俺は別に魔法はかけていないぞ?」 「ハァ、ハァ……さ、触るなよ……っ……昨日のアレ、体が思い出して……ッ」  肩を叩かれただけで、体が甘く疼いておかしくなる。下腹の奥が小さく脈動して、こんなことで軽くイってしまった自分に泣きたくなる。  あぁ、なんてこった……魔法なんて普通じゃないものを使われたせいで、体が簡単にケイロにイカされるようになったぁぁ……っ!  心の中で泣きながら、俺はケイロにありったけの怒りをぶつけた。 「もうお前、俺に寄るな、触れるな、関わるなぁぁ……!」 「そうは言っても、三日に一度はやらんと自爆するぞ?」 「なんだよその頻度?! じゃあそれ以外で触るなぁ……! もう嫌だ……離婚してぇ……」  がっくりとその場へうな垂れた俺の視界で、左薬指の指輪が輝く。  朝から色々と取り返しのつかない現実を突きつけられて、俺は心の中で遠い目をするしかなかった。

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