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第3話
「どういう事ですか」
「母親が急な残業でな。変わりに保育園に弟を迎えに行った」
私が林から伝言を請け負ってここに来たのだ、との佐々木に、透は丁寧にお礼を言った。
「ありがとうございます。すみません、伝言なんか引き受けてもらって」
「構わんよ。私も、ここに用があったし」
会話が切れたところで、佐々木は机の上に眼をやった。
「本を読んでいたのか」
「林さんが貸してくれて。それで」
愛想笑いをする透の顔を、佐々木は覗き込んだ。
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