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第30話

「ね、先輩。今度、放課後にちょっと寄り道して帰らない?」 「いいね。いつ?」  何事もなかったように、透は日常を取り戻していた。  美咲とも、相変わらず仲がいい。 「明日はどう?」 「明日って、水曜日だよね」  佐々木先生の顔が浮かんだ。  途端に、顔が赤くなる。  下肢が疼く。  心臓が、どきどきしてくる。 「水曜日は、ちょっと……。別の日がいいな」

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