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細い両手首を持って全裸になった僕は、中途半端な制服姿の七海さんの体をバスルームの壁に押し付けた。
視界を奪われた七海さんが、僕を頼りによたよた歩く姿は限りなく扇情的で、昂ぶる興奮を抑えるのに必死だ。
可愛く抵抗する声に反し、体は至っておとなしい。
シャワーから流れ出るお湯の温度調節をしている最中も、僕がどこにいるのかを音を頼りに探してキョロキョロしていた。
ずっと見ていられるな、なんて鬼畜な事を考えてしまうほど、親鳥を探す雛に似たそれは可愛くてたまらなかった。
「ちょっ、これ嫌だ! 何も見えないの怖い! やっ……あっ…っ…」
「感覚遮断。 視覚が奪われるだけでその他の感覚が研ぎ澄まされます。 お仕置きと言いながら、七海さんに気持ち良くなってほしくて考えた、僕の精一杯の優しさです」
僕が少し素肌に触れただけで、ピクッと体を震わせて啼く。
七海さんが見ている真っ黒闇の中、声、手のひら、触れた感触、それぞれをその身に叩き込んでほしい。
僕しかいないんだよ。
七海さんを愛していいのは、僕だけなんだよ。
これから先も、魔性を振り撒いていいのは僕にだけ。
掴んだ両手首ごと頭上に括ると、和彦、と力無げに呼ぶ声に腰が疼いた。
「やっ……ちょっ、だめ、触るな……! いま、無理…っ、なんか……こわい…っ! 見えないの、怖い……!」
狼狽える声には無言を貫き、頭を撫でるだけに留めた。
よく分からない備え付けのものは使いたくなかったけれど、ボディーソープをワンプッシュして感触とにおいを確かめる。
それだけじゃまだ心配で、自分の体に擦ってみてこれが悪いものじゃないかを確認した。
「ん。 大丈夫そう」
「え、っ? 何が!?」
「シャワーあてますよ」
「う、うぁ……っ、うぅぅ……っ」
ややぬるめに調節した温水を、七海さんの腰にあてていく。
ストッキングは僕が全裸になる時にあらかじめ脱がせておいた。
七海さんは何を着ても似合うけれど、あれは女性が履くものだ。 七海さんには必要ない。
体を温めるために、腰から臀部、太ももの付け根、膝裏、ふくらはぎまでじっくりシャワーをあてた。
その間も、すべてを僕に委ねてジッとしていた七海さんは、押し殺している欲望をその魔性で煽るかの如く小さく可愛く啼いていた。
「──七海さん、細過ぎますね」
ボディーソープを手のひらで馴染ませて、温まった体に塗り付けていく。
制服はびしょ濡れだ。
くまなく愛おしげにぬめりを含ませて撫でていると、その細さが際立っていて少々頂けないと思った。
腰のラインがハッキリと分かるベストは、華奢な七海さんが着ていると何だか浮いているみたいだった。
自活していた七海さんは節制が身に付いているのかもしれないけれど、これからは良いものを好きなだけ食してもらわないと。
こんなにやらしいくびれがあったら、やっぱりノンケは食いついちゃうよ。
「これからは、あまり腰のラインが分かるような服装はやめてくださいね。 制服プレイも今日限りです。 七海さんの女装姿は素敵でしたけど、僕はこの七海さんが好き」
「ん、……っ? ……なに、? あっ指……っ…んんんっっ……!」
壁に手首を押さえ付けたままシャワーのお湯を一度止めると、途端にバスルーム内が静かになった。
首筋に赤い跡を残して指先に力を込め、ボディーソープを孔に塗り付ける。
中指をそっと挿入してみるも、締まりきったそこは始めは第一関節までしか入らないから、まずは入り口を入念に解していった。
「んあぁ……っ! だ、だめ…っ……ちょっ……これ外し、て!」
「目隠し外してほしいんですか? どうして?」
「ど、どうしてって……、なんか、なんか……っ」
「いつもより感じます?」
解れてきたそこが、七海さんの意思と疎通してうねりを伴い始める。
指先が持っていかれそうなほど締められては、息を吐くごとに緩む、その感覚に合わせて少しずつ襞を拓いた。
押し進めていくと現れる七海さんのいいところ。
僕の指の腹はその感触をすでに覚えている。
「んんっ……ぁっ、あっ、…も、やば……! 和彦、やばいっ…て、出そ……っ、出そう…!」
顎を仰け反らせてお尻を震わせる刹那感は緊迫していて、僕が僅かな膨らみを擦る毎に七海さんの快感が引き出されてゆく。
意図的に、重点的に襞の緩みを利用して擦り上げていくと、徐々に七海さんの体が前のめりになってきた。
チラと見えた初な性器は勃ち上がってほのかに揺れていて、僕の愛撫で感じてくれている事に喜びを見出す。
色白の肌がピンクに色付いてるから、それが熟れた桃みたくあまりに美味しそうで、背中をいくつも食んで鬱血させてはまた喜んだ。
バスルームに響く粘膜音と、七海さんのか弱い嬌声。
目隠しをした七海さんは、その暗闇の中で頼るべき者、愛すべき者が僕しか居ないと分かってくれただろうか。
「僕、洗うの上手になりました?」
「……っ!? し、知らな…っ、あぁぁ……! やだ、…やだ……っ、だめ、立てないっ……立てない……!」
襞に沿って指を動かし、薄っすらと色味の濃くなった首筋を舐めながら問うと、いよいよ膝に力が入らくなった七海さんが崩れ落ちそうになり慌てて抱き留めた。
孔から引き抜いた指先が白いぬめりで覆われていやらしく、感触も鮮明で早く中に入りたいと気持ちが急いだけれど我慢する。
七海さんは、快感に体を震わせていた。
背後から抱き締めてみると、それだけで「ん……」と切なく啼いて僕の胸に寄りかかった。
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