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第4話
「おっ、お兄さんが来ました!」
周囲から、拍手が鳴り響く。
「凌也は、もっと遊ぶべきだ、って?」
そうそう、と大木(おおき)がうなずいて、唐揚げをもぐもぐさせながら話しかけてきた。
「いわゆるコレだ。河瀬ほどとはいかないが、場数を踏まなきゃ」
大木が立てたのは、小指。
要するに、女性関係をネタに、凌也は冷やかされていたのか。
河瀬が差し出す新しいグラスを受け取り、凌也の隣に座りながら、翔吾は苦笑いした。
「いやぁ、こいつは真面目で一途なタイプだから。心まで交わした相手でないと」
「だから! その大切な相手を前にドジ踏んじまったら、元も子もないってこと!」
まいったな、と翔吾は凌也を見た。
こちらは兄よりもっと参った顔つきで、ちびちび飲んでいる。
「陣内(じんない)から何か言ってやってよ」
翔吾の振りに、笑顔で陣内がぶち上げた。
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