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第6話 「雨やみませんね」
突然の、雨
「うわ、降ってきた」
傘を忘れたことに気がついたのは家を出てから
天気予報での降水確率は80%
さらに今日提出の課題を忘れて気分は降下
先生に謝ってなんとか明日までに伸ばしてもらえた……良かった…
「「あ。」」
そんなことを思っていた雨宿り中
視界に移ったのは、
「せんぱい……」
一つ上の先輩だった
「久しぶり」
「……お久しぶりです」
「元気にしてた?」
「まあ…そこそこ。先輩は?」
「元気だったよ」
お互い濡れた髪を拭きながら少し話をした
緊張していたから何を話したかはよく覚えていないけれど
いつもよりちょっとだけ近い距離感にドキドキした
先輩はいつも通り綺麗に笑っていた
「雨、やみませんねぇ…」
「……そうだね」
久しぶりに会えたから
もう少し傍にいたいです
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