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第1話

また、クリスマスがやってきた クリスマスツリーはキラキラと輝いていて、行き交う人々はカップルが多い 大学帰りにふと思い出した ――クリスマスに病気で亡くなったあいつのことを 今年20になった俺、中原結人(なかはらゆいと)は同い年の神崎雪(かんざき ゆき)と付き合っていた。 高校3年で同じクラスになり、あっという間に意気投合してたまたま大学も一緒になった 科は違えど、お昼は一緒に食べたり2人で出かけたりしていくうちに好きになって、男だからだめだろうなとダメ元で告白したら、実は俺も好きだったと晴れて両想いに。 付き合い始めて半年、もともと体の強くない雪は貧血で倒れてそのまま入院。 日に日に体力は薄れ、最後に大好きだよと。 その一言を残して雪は… 「寒いな…」 大学の研究が長引いてしまい夜遅く、街頭が照らす人気がない道路をとぼとぼと歩く 雪がいなくなって、1年が経った 未だに受け止められない。 「…と」 「雪!?」 雪の声が聞こえた…きがした。 だけど、もう1度。今度ははっきりと。 俺は立ち止まる 「結人」 「雪!」 姿は見えないけれど、声は聞こえる 普通なら恐怖さえ感じるこの状況。 俺は嬉しさしかなかった 「どこにいるんだ?姿は見せてくれないのか!?」 「結人の目の前にいるよ。」 そう言うと、すっと形がはっきりして雪が目の前に現れた 「雪…ずっと会いたかった…」 「俺だってずっと会いたかった」 その言葉を聞いた瞬間 涙が止まらなくなった。 そんな俺を見て、雪は微笑んだ。 「泣かないで、ずっとあなたの心の中にいるから。」 そんなの言われたら、涙が止まらなくなった ふと、雪を見たら消えかけていて。 「もう、時間切れみたい。」 そう言った雪も泣いていた。 「俺、頑張るから。だから見守っていて欲しい」 泣きながら、笑顔で頷いた雪。 できるはずはないのに、俺達は触れるだけのキスをした。 だが、確かにその瞬間だけ、キスの感覚がした 「「メリークリスマス」」 2人で声を揃えて言った。 そのあと雪は消えた。 何事もなかったかのように時間だけが過ぎていく。 クリスマスの奇跡だった。

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