1 / 1

第1話

「なあ、今日は何の日かわかる?」 「はあ?」 部屋に入るなり、恋人が僕の腕を掴んでソファーに座らせ、いきなり質問してきた。 ニヤニヤとにやける恋人の顔に、若干引きながら、僕は仕方なく答える。 「おまえの…誕生日だろ」 「そう!正解!で、覚えてる?」 「はあ?何を?」 自分でさっさと言えばいいのに、質問されることにイラつく。 本当は嫌だったからスルーしようと思ってたけど、こいつはどうやらしっかりと覚えてるみたいだ。 「誕生日には、おまえの言うことを何でも聞く…」 「またまた正解!じゃあ早速お願いしようかなぁ」 「な、なにするんだよ…」 日頃から明るい奴だけど、今日は特にテンションが高い。 まあ誕生日だから仕方ないんだけど。 「はい、バンザイ」 「え?」 両手を上げる恋人につられて、僕も両手を上げる。 僕のタートルのセーターと下着の裾を掴んで持ち上げると、一気に脱がせた。 「うわっ!何すんだよっ!寒いじゃんっ」 「わあ、本当に寒いんだね。乳首、立ってる。かーわいい…ん?何これ?」 「あっ!見るなっ」 慌てて首を押さえようとした僕の手が、拘束される。 僕の首には、ピンクのリボンが結んであった。 「…おまえの誕生日に、つ、つける約束だったから…」 熱くなった顔を背けて、震える声で言う。 「…めっちゃ可愛い。好き。ん?てことはもしや…」 「あっ、やめ…っ」 小柄な僕の力じゃ抵抗虚しく、あっという間にズボンも脱がされた。 「うそ…マジで履いてくれたんだ…。すっげー可愛いっ!最高っ!」 「…っ!」 僕の誕生日にこいつからプレゼントされたピンクのリボンとふんどしパンツ。 なんちゅープレゼントだと睨みつける僕に、「俺の趣味。俺の誕生日に履いてね」と満面の笑顔でこいつが言ったんだ。 抵抗がありながらも、結局こいつの言うことを聞いてしまう僕は、結構…いや…かなり惚れている。 「もう…あんまり見るな」 「はあっはあっ…、え?なんで?」 今までに見たことないくらいの真剣さで、ふんどしパンツをガン見していた恋人の目が、充血して怖い。 僕は、「もういいだろ」と手を伸ばして、ソファーの下に落ちたズボンを拾おうとした。 その手を即座に掴まれる。 「何言ってんの?これからだよ?」 はあはあと荒い息を吐いて、目を血走らせた恋人の股間が、恐ろしいことになっている。 「な、なにすんの?」 「楽しいこと」 恋人は、一旦僕から手を離して立ち上がり、冷蔵庫から白い箱を出して来た。 再び僕の傍に座り、「はい、これ持って」と箱の中からケーキを二つ取り出して、僕の両手に乗せる。 「え?なに?」 戸惑う僕をしり目に、ケーキに盛られた生クリームを指ですくうと、僕の乳首にたっぷりと塗り始めた。 「な、な、なにしてんのーっ!?」 「ん?生クリームプレイ」 「は?あっ…ん!」 済ました顔で答えて、僕の乳首をキュッと摘む。 その何とも言えない痛痒い刺激に、僕の口から甘い声が漏れた。 「あれ?感じるの?こーゆーの好き?良かったぁ、俺も好き」 「ちっ、ちがっ!…ああんっ」 慌てて否定しようとした僕の乳首に、恋人が強く吸いつく。唇で挟んで舌先で弾く恋人を止めたくても、僕の両手にはケーキが乗っていて、どうすることも出来ない。 「はあっ、甘くて美味いっ!ん?どうしたの?こんなに濡らして…」 「ばっ、ばかっ…ぁ!このケーキ退けろよっ」 「えー?そしたら邪魔するじゃん」 「あ、当たり前だっ!僕だけこんな恥ずかしい…っ」 「えー?じゃあ俺にもする?」 「え?」 恋人は、眉をひそめた表情から一気に笑顔になって、僕の両手からケーキをどけると机の上に置き、満面の笑みで全裸になった。 「さあ、俺にも塗って?」 「…ばか」 僕は、恋人の変態加減に呆れながらも、渋々恋人の前にひざまずく。 左手でピクピクと震えるモノを握ると、右手の指先ですくった生クリームを先端に塗りつけた。 「おお…なんか丸ごとバ〇〇みたいだな」 「ばかじゃないの?」 くだらないことを言う恋人を睨みつけて、僕は舌を伸ばすと先端をペロリと舐めた。 「やべ…エロいっ」 ビクンと揺れるモノを緩く扱くと、舌先を尖らせて先端を突つき、生クリームを舐め取る。綺麗に舐め取って深く咥え、頭を前後に動かそうとした瞬間、「ちょっと待って!」と止められた。 「んぅ?」 僕が咥えたまま見上げると、恋人が珍しく赤い顔をして自身を引き抜く。 「なに?出さないの?」 「…おま、その顔はだめだろ…。いや、イクならおまえの中がいいから。はい、ここに手をついて尻をこっちに向けて」 「え?なに…え?」 僕の手をソファーに置いて四つん這いにさせ、お尻をぐっと持ち上げる。 「可愛いなあっ!もう我慢出来ないっ!」 「え?ちょっ…や…っ!」 恋人は、僕のふんどしパンツを脱がせることなく横にずらせて、後ろの穴にも生クリームを塗り込んだ。 そして舐めて解して挿入して、何度も何度も僕の中に熱いモノを注ぎ込んだ。 抱き潰されて動けなくなった僕は、ひと眠りした後に、クリームが崩れてしまったケーキを、やり過ぎたと反省した恋人に食べさせてもらった。 僕はケーキを咀嚼しながら、次の誕生日には、汚れてしまったこの下着の代わりに、もっと可愛い下着を買ってもらおうと思った。 だって、本当は嬉しかったんだ。 恋人の喜ぶ顔が見れたことも、僕の中にたくさん出してくれたことも。 僕は、じっと恋人の顔を見つめる。 僕の視線を受けて、恋人が、不安そうに首を傾ける。 その情けない顔を見て、笑いながら「好きだよ」と言うと、恋人は輝くような笑顔になって「俺も大好きだ!」と叫んだ。 おしまい 【注】食べ物は大切に…w

ともだちにシェアしよう!