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第13話
思わず、息をのんでいた。
あったのだ、四つ葉のクローバーが!
光一は、それでもまだ手放しでは喜ばず、その一本の周りの葉を慎重にほぐしていった。
うまい具合に重なり合って、四つ葉と見せかけた普通のクローバーには、何度がっかりさせられたことか!
だがそれは本当に、正真正銘4枚の葉を持つクローバーだった。
「あったーッ!」
声をあげると、寿が走り寄って来た。
「ほら、ここに!」
光一は、丁寧に摘み取った四つ葉のクローバーをかざして見せた。
「ほら! ちゃんと、葉が4枚!」
「よかった! 早く大林先生の所へ持って行こう!」
また、大林かよ。
再び、光一の胸に、嫉妬心が湧いて来た。
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