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第126 掛け替えのない×× 4 ※
「欲しいものはこれで終わりか? ここの奥にはいらないのか?」
浅く咥えたままだった、指がいきなり奥まで差し込まれる
「ひゃああ」
その奥で、グルリと指を回されれば、それだけで腰がビクビクと何度か跳ねた。
そのまま呆気なく出て行った指を惜しむように、レフラの後孔がハクハクと忙しなく開閉する。
「……ひど、いです……わか、っている、のに……」
恨みがましく、レフラが琥珀の目を睨んだ。
「お前に求められるのは、心地良いからな。同じように、ここでも求められたいだけだ」
チュッチュッとレフラの顔中に、ギガイのキスが落ちてくる。その感触と声音に絆されて、レフラの手が、ギガイのズボンへも伸びていった。
剣帯のベルトを避けながら、カチャカチャとどうにかギガイのズボンを寛げる。
下履きの中で固くなったそれに指先を触れさせながらも、取り出すのはどうしても恥ずかしい。
「あ、の……ぎ、がい、さま……」
どうしたら良いのか分からずに、思わず名前を呼んでみる。
「ほら、このまま合わせを開いて、取り出してくれ」
「ひゃあっ、あぁ」
ギガイの舌がレフラの耳孔に差し込まれた。ピチャピチャと音が鳴るように舌で穴が弄われる。それでも動き出さない指に焦れたのか、ギガイがカリッとレフラの耳へ歯を立てた。
「いやぁぁ、ぁぁ」
かすかに走った痛みから逃れるように、首を振る。だけどその反対に、レフラの茎からは滴がコポッと溢れ出た。
「お前がそこへは欲しくない、というならば仕方がないが、そうでないなら早くしないと、時間が無くなるぞ。その時は、このまま私は戻るがよいか?」
「で、でも。そうな、ったら……ぎが、いさまも、おつら、いでしょ……?」
自分だけじゃないはずだ。レフラは精一杯の強がりを言ってみせる。
「お前が今は欲しくない、というならば、私の事は別に良い。この程度はどうにかしよう」
レフラに触れていた手をどけて、ギガイが自分の上からレフラの身体を持ち上げた。そのまま横のクッションへ退かされたレフラの側で、一生懸命開けさせたギガイの服に指がかかる。
レフラが素直に欲しがらなければ、このまま服を整えてしまうのが見て取れた。
さっきは精一杯の虚勢で、あんな風に言ってみたけど、これまでもレフラだけをイかせてくれたり、ギガイの欲を押しとどめる場面は幾度もあったのだ。
強固な自制心を持つギガイに、余裕無く求められたのは、白族の魅毒に翻弄されたあの1回だけだった。
欲しいと言わなければ、きっとここで終わってしまう。でも、レフラだけが欲しがるのはイヤだった。
「ギガイ様は、いつも余裕で、私ばかりが翻弄されて、悔しいです……」
「そんな事はないだろう。いつもこうやって、お前を求めるのは私の方だと思うが?」
ギガイが「どうした?」と苦笑を浮かべてレフラを撫でる。レフラは頭を振って、ギガイの手を振り落とした。
「でも、そうやって触れてはいても、いつもどこか自制していて、こんな時には服さえ開けて下さいません」
何だか言っていて、欲しがっているのが自分だけのような気がしてくる。レフラは少し悲しくなって、キュッと拳を握り込んだ。
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