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第1話

東京の大学が夏休みだったある時、母親からメールが届いた。どうやら、おじいちゃんが危篤らしいから、見舞にいってきてほしいらしい。おじいちゃんは東京から電車で3時間くらいの場所にある山の中のガレージに住んでいる。小さいころに何度か帰省したことはあったが、だんだん父親の仕事が忙しくなるにつれて帰省すらもままならなく、なりここ十年近く帰っていない。でも、そんなおじいちゃんはいつも色んなことを教えてくれた。夏に帰れば、虫取りを教えてくれたり、スイカをご馳走したりしてくれた。正月に帰ると一緒にかまくらも作った。時々、母親が危険な真似をさせないでとおじいちゃんに怒ったこともあったけど。僕にとっては大事な思い出だ。 その知らせを聞いて、すぐに向かう準備をした。いつも元気だったあのおじいちゃんがもし重たい病気だったらどうしようかと焦った。見舞いといっても経験がなかったから何をもっていけばいいかよくわからなかった。とりあえず、財布とスマホといった必要最低限のものと炊飯器に残ってた白米を自分とおじいちゃんの分だけ握ってカバンに詰めた。

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