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第4話 紛らわしい
「……もういい」
ライは辛抱強く、しばらく希望の好きなようにさせていた。
けれど、肩から背中、腰までマッサージらしきことが終わったようだったので、ようやくライは口を開いた。効果があるのかわからないが、それよりも、希望に付き合うのも飽きてしまった。
「え?! あ、あの、もうちょっと……! わあっ!?」
希望が慌てて留まろうとするが、ライが無理矢理起き上がる。希望はあっさりとライの上から転がり落ちてしまった。
ライはベッドの上で、胡座をかいて座る。首に手を当てて、ぐりぐりと回した。
希望はその隣でちょこんと座ったままもじもじ、としていた。
「ど、どうだった……?」
「どうもこうも、もっと腰入れて押せよ。全然力が」
「そ、そうじゃなくて……」
「?」
ライが希望を見ると、希望は頬を赤く染めていた。
そんなに激しく動いていただろうか、そんな強さでもなかったのに、とライは首を傾げる。
希望はライを上目遣いで見つめた。瞳はいつもより潤んで、揺れている。眉を寄せて、切なげな表情でライを見上げて、はぁ、と僅かに熱い吐息を零した。
ライが希望の様子に疑問を抱く前に、希望はライの太股に手を置いて、じっとライを見つめた。
「あ、あの……したく、ならなかった……?」
希望が太股をすり寄せ、そこを腕で隠すように身じろぎする。
希望の震える声に混じる荒い吐息と、潤んだ瞳の奥で揺れる熱、火照ってしっとりと汗ばんだ肌をしばらく眺めて、ライは気づく。
ああ、今回はわざだったのか。
今までと何がどう違うんだよ。紛らわしい。
「……はぁー……」
ライがため息をつくと、希望がびくっと震えて離れた。
「ご、ごめんなさい……疲れてるっていうから、我慢しようとしてたんだけど……でも、くっついてたら、なんか、おれ……ふぁっ!?」
ライは希望の腕を掴んで、押し倒した。
「あっ、だ、だめ、やだっ……!」
自身の反応しかけているそこを隠していた腕を掴まれて、希望は太股をぎゅうっと閉じて隠そうとした。けれど、その前にライが希望の足の間に太股を割り込ませて、そこを擦り上げる。希望がか弱い悲鳴を上げて、震えた。
「ご、ごめんなさぁい……!」
恥ずかしさに震えて、希望が瞳を潤ませる。真っ赤になった希望を見下ろして、ライは楽しくなってきた。
今のライにとっては、希望がその気である方が都合がいい。
無理矢理抉じ開けぐちゃぐちゃにしてやるのも楽しいが、そればかりではつまらない。
獲物が自分からやってきたのだから、出来るだけ美味しく喰らいたい。
ライが希望の足を掴んで開かせ、身体を割り込む。希望は悲鳴を上げて両手でそこを隠そうと腕を伸ばした。恥ずかしさで顔は真っ赤になり、瞳は限界まで潤んで目尻には涙が溜まっている。
「うぅ…! ごめんなさいぃ……!」
「何で謝んの?」
「え? だ、だって、えっちなことしちゃったから……お、怒ってるんでしょぉ……?」
「怒ってねぇよ」
ライがそう言って笑うと、希望は目をぱちくりとさせた。
「え? ほ、ほんと? でも、ライさんいつも、『エロい身体押しつけてきてして生意気』って怒るじゃん……」
「お前がその気もないのにやるのが問題なんだよ。いつも煽るだけ煽っといて、逃げようとしやがって」
「え? ……ご、ごめん…?」
「でも、そのつもりなら、話は別」
「んっ、あ、あぁっ……!」
希望のショートパンツを脱がして放り投げる。タンクトップの裾から手を差し込んで、腰から撫でるように胸へと向かう。タンクトップは捲れ上がって、希望の身体はもはや恥ずかしいところを隠せなくなってしまった。
ライの大きな掌が希望の身体をゆっくりと這う。希望は快感への期待に身体を震わせて、ライをじっと見つめていた。
希望の視線に気づいて、ライが笑った。
「小賢しいことしてないで、抱かれたきゃそう言えよ」
ライの言葉に、希望が真っ赤になりながらもコクコク、と何度も頷く。
それを満足そうに見つめて、ライは希望の首筋に噛みついた。
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