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第10話
「れ、廉のお勧めはどれ?」
それでも廉を苗字ではなく名前で呼ぶことを忘れずに、巽は愛想笑いを浮かべた。
「う~ん。巽は苦味と酸味、どっちが強いコーヒーが好き?」
苦味?
酸味?
コーヒーって、苦いだけじゃないのか!?
酸っぱいコーヒーもあるのか!?
そこへ、マスターのナイスな一声が!
「迷うなら、当店特製のブレンドを試してみて欲しいなぁ」
「じゃあ、ブレンドで!」
「ありがとうございます」
「僕は、マンデリンにする~」
了解、とマスターは手早くコーヒーを淹れる準備を始めた。
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