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第八章・9

 決まりだ、と要人は心から嬉しそうだ。  指切りまでして、その日は別れた。 「今度は、僕が要人の気持ちを尊重してやる番、なのかもしれない」  優希は、小指をじっと見つめながら考え込んでいた。  キス、できるようになったし。  身体の触り合いっこも、もう慣れた。  じゃあ、大丈夫なんじゃないか? 「僕、要人と」  ああ、考えるだけで顔から火が出そう。  それと。 「やっぱり、ちょっと怖いよ。要人……」  地虫の声を聴きながら、優希は夕暮れの道を歩いた。

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