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第5話 エロス&インテリジェンス・7

「……マカは?」 「ベッドで遊んでるぞ」 「……全く、サボり魔だな。人のこと言えないけど……」  パーテーションで仕切られた向こうのスペースへ行くと、ベッドにうつ伏せた子供姿のマカロがスマホでゲームをしていた。ベッドにはスナック菓子とコンビニのおにぎりやジュースの残骸が散らばっている。当然こちらも全裸だ。 「マカ!」 「ひゃっ」  ぷりぷりに光る小さな尻を叩くと、ようやく俺の存在に気付いたマカロが驚いたように声をあげた。 「な、なに! 誰! ほたるっ?」 「俺以外の誰がいるんだよ。ていうか、何でゲームしてんだ。呪いを解く方法を探してるんじゃなかったのか」 「今がんばって呪い解いてる最中なんだ。もうちょっと待ってて!」 「呪い解いてる最中って……」  そこまで言って、俺はマカロが手にしているスマホの画面を覗いた。  シャックス・イン・ダークネス。俺の視力が悪くなった原因の悪魔のゲームだ。 「マカ、それプレイしてるのか? 大丈夫なのかっ?」 「平気! ちょっとしんどいけど、ステージ半分まできた」  目を見開き、小さな手で懸命に操作をしているマカロ。この時間までにどれほどやり込んだのか、何だか俺よりも上手い。 「どうやら炎樽くんの呪いを解く方法はこれしかないらしくてね」  仕方なく元いたトークスペースへ戻ると、机に紅茶のカップを置きながらサバラが言った。 「ハーブティーだよ。変な物は入ってないから安心して飲んで」 「あ、ありがとう」  椅子に座ってカップに口を寄せ、温かな紅茶にほっと息をつく。 「あのゲームでボスのシャックスを倒すのが、唯一の呪いを解く方法なんだって」 「全クリで呪い解除? でもそれじゃあ、シャックスは何のために視力を……」 「呪いっていうのは、発動と同時に解除法も用意しないといけないものなんだ。今回はゲームプレイが発動条件で、クリアが解除条件てことだね。もしかしたら今回のことは、シャックスの気まぐれなイタズラなのかも」  なるほど。俺はたまたまマカロがいたから視力低下の原因がこのゲームにあると分かったけれど、普通なら徐々に目が悪くなってきた理由を特定のゲームに絞るなんてことはないだろう。  気付かれず徐々に視力を奪って行き、全ステージをクリアできた者だけが呪いを解除し視力を取り戻すことができる。視力を奪われたまま途中でゲームクリアを諦めてしまった場合、その視力は全てシャックスの物になってしまうのだろう。  よほどのゲーマーじゃない限り途中で投げ出すだろうなと思う。燃えるほど面白いゲームという訳でもないし、攻略サイトもないし、俺だってただの暇つぶしで始めただけなのだ。 「普通の人間なら途中から視界を奪われてゲームどころじゃなくなるから、余計にクリアする人は少ないだろうね。マカロは魔力を消費しながらプレイしてるから、何とか身を守れてるけど……あっという間に子供の姿になるまで消耗してしまったみたいだ」  そこまでして頑張ってくれているマカロだが、どうにもお菓子の残骸と子供の姿のせいでただ遊んでいるようにしか見えない。 「ラスボス手前で炎樽くんと操作交代するから、もう少し待ってあげてね」 「分かったけど、俺は今とにかくこの眼鏡をどうにかして欲しいんだ。服が透けて見える機能要らないから、こっちの解除方法を取り敢えず教えてくれよ」

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