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第9話 マカロのたいへんないちにち・6

 江戸山先生が鍵を使って開けたのは、小さな部屋だった。生徒指導室、というプレートがあったから、きっと生徒を指導する場所なのだろう。 「さて」  狭い部屋にはテーブルとお揃いのイスが二脚。向かい合う形でセットされていて、先生が奥に、俺は入り口側の手前に座らされた。 「イベントについてはどこまで把握しているかな?」 「えっと、サキュバ……じゃなくて女の子の恰好をして、誰が一番綺麗かを決めるんだよな? 一番綺麗だったら何がもらえるんだ?」 「一応、トロフィーの他には購買部のパン無料券とかがもらえるけどね」 「パン好き。俺、頑張るよ先生!」  江戸山先生はテーブルに頬杖をついて、ニコニコ笑っている。優しそうな顔。狭い部屋に入ってから気付いたけれどちょっとだけ炎樽みたいないい匂いもして、俺の頬がポッと赤くなる。 「それじゃあマカロ君。きみが特別エントリーするに相応しい子かどうか、今からテストするからね」 「テスト?」 「そう──」  先生の目がスッと細くなった。同時に優しそうだった笑顔が引っ込み、ゾッとするような冷たい微笑に変わる。 「まずは自分で体育着を捲って、肌を見せなさい」 「えっ、せっかく着てきたのに脱ぐのか?」 「脱がなくていい。捲るだけだ」  よく分からないが、仕方なく俺は言われた通りに体育着を首元まで捲ってみせた。緩くエアコンが点いているせいか、風が当たって胸がすうすうする。 「……綺麗な体だね」 「じゃ、じゃあ合格か?」 「まだだよ。次はそのままテーブルに乗って、大きく脚を開いて見せるんだ」 「うー、……分かった」  これって前にサバラとウサギのクラブに行った時、ボーイの雪那がやっていたポーズと同じだ。テーブルに乗って脚を開いて、確か雪那は…… 「そしたら次は短パンをずらして、ペニスを出して先生に見せなさい」 「ええっ、は、恥ずかしい!」 「そういう『恥ずかしさ』をどこまで捨てられるか、コンテストは度胸も必要になってくるんだよ?」  確かに先生の言う通りだ。……だけど初めて会った人に自分のそれを見せるなんて、女装以上に恥ずかしいことなんじゃないだろうか? それに何だか、凄くいけないことをしているような気も……する。 「や、やっぱり恥ずかしいです!」 「そうか。じゃあ、少し手伝ってあげようかな。君の恥ずかしさが減るように」 「えっ……?」  言うなり江戸山先生が身を乗り出し、テーブルに乗って体育着を捲っていた俺の胸に唇を押し付けてきた。 「わっ!」  口に含まれた俺の乳首が中で引っ張られ、音をたてて吸われる。何でこんなことをするのか分からない。でもこういう刺激になれてない俺は、あっという間に── 「っあぁ……や、だ……! うぁっ、す、吸わないでっ……」 「大人しくしなさい、マカロ君」 「んんぁっ、あ……、ちんこ勃っちゃうからぁっ……だめっ……」  俺の乳首を舌で転がしながら、先生が椅子から立ち上がった。体重をかけられてテーブルの上に引っくり返ってしまった俺の脚の間に、先生の腰が入ってくる……身動きが取れない!

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