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第21話

 黙々とシャツを脱ぎ、ベルトを緩めるエルを見ながら、ルカスはルカスでやたら冷静だ。 「アロイヴ、氷の壁を作って窓を塞いでくれ。寒くてかなわん」  現実離れした今の状況から少しでも逃れようと、アロイヴは腕を伸ばしエルによって破られた窓を自らの凍気で塞いだ。  そんなアロイヴを置いて、ルカスとエルは敵同士として言葉の応酬を高めつつあった。 「エル、とか言ったな。お前は、アロイヴの何だ」 「親友だ。心の友だ。お前とは違ってな」 「ふん、俺の方が親友だぞ。何たってアロイヴは、ルドルヤルトの陣営にいるのだからな」 「心の友だ、と言ったはずだぞ。体はお前のものでも、心はこのエル様のものだ」 「……お前、アロイヴと寝たことあるのか?」 「フッ。ご想像にお任せするぜ」

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