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第26話
翌日、何事もなかったように忍が俊介の自宅を訪ねてきた。
「おはようございます!」
「お、おはよう」
家族はこの時間、皆勤めに出ていて家には俊介一人である。
お盆期間で学校の補修も部活も休みの一週間、忍に勉強を見てもらうことになっていた。
しかし、昨日は実に気まずい別れ方をしたのだ。
忍はもう来ないかもしれない、と思っていた俊介だった。
「お邪魔します」
俊介の部屋へ入る、忍。
まるで変わらない日常だ。
だが、俊介は一言謝るつもりでいた。
不用意な言葉で、忍を傷つけた。
それだけは、自分で自分が許せなかった。
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