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拾参

あの人の手が伸びて来た。 「俺の好みを決め付けるな」 手のひらに顎を包まれて上向かされる。 「何も知らない間抜けより、知り過ぎた愚か者のが可愛いとはね」 自分でも驚きだと、あの人が笑う。 「過去を過去にしたのなら……」 低い響きが優しい。期待してもいい? 「新しいことをする時、だろう?」 ウヌ?

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